無い物ねだり

保守党の院外団体を率いるエド・コステロー氏は、大半の党員はジョンソン氏を求めており、それは彼こそが既存政治勢力の反対を押しのけてブレグジットを実現できるとみているからだと説明した。

コステロー氏は「ブレグジットはありきたりの官僚的、行政的手段では決して達成できない」と強調し、トランプ米大統領のような既成政治と対決する姿勢が必要になっていると指摘。「ボリスは欠点のある人物だし、ひどく変わり者だが、ほとんどの政治家は彼より劣っている」と述べた。

さらにコステロー氏によると、英国を第1次世界大戦の勝利に導いたデービッド・ロイドジョージや、米国で人気があったジョン・F・ケネディ大統領など私生活面で難があったものの、政治家として成功を収めた例があり、「マザー・テレサ(のような聖人君子)が首相になってくれれば素晴らしいが、そんなのは無い物ねだりだ」という。

もちろん党員の中にはハント氏に投票した方が無難だとの声もある。ハント氏支持派の女性のメアリー・ダグラスさんは、米国でトランプ氏が人格的に問題視されながらも大統領に当選したのと同じ轍を踏もうとしていると警告。「そうした過ちをわれわれが繰り返さないように私は熱心に活動している。なぜなら有権者は自分たちに見合う政治指導者を選ぶ、というのが私の確固たる考えだからだ。米国と同じ状況に置かれたくない」と力説した。

ただ多くの党員は、ジョンソン氏のようにカリスマ性があり、はっきりとブレグジット賛成を掲げる政治指導者だけが、かなり近く実施されるかもしれない総選挙で、ジェレミー・コービン氏が率いる左派の労働党首や、ナイジェル・ファラージ氏の下で先の欧州議会選で躍進したブレグジット党といった野党に勝つことができると考えている。

ある党員は「コービン氏は好みは別として、群衆を熱狂させ、ニュースの見出しを飾り、人々を引き付ける力を持っている。われわれはまさにそうしたことが可能な党首を必要としており、決選投票の残った2人のうちならジョンソン氏しかいない、というのが私の見方だ」と明言した。

(Andrew MacAskill、William James記者)

[ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
ニューズウィーク日本版 サッカーW杯 日本が優勝する日
2026年6月9日号(6月2日発売)は「日本が優勝する日」特集。

Jリーグ発足後、飛躍的に進化した日本サッカー。W杯の頂点に挑み世界を驚かせる時が来た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます