Karen Brettell

[4日 ロイター] - 米財務省の借り入れ戦略について助言する民間有識者会議「財務省借入諮問委員会(TBAC)」は4日公表した声明で、人工知能(AI)投資を目的とした企業の大型資金調達が米国債需要を圧迫(クラウディングアウト)している証拠は見当たらないとの見解を示した。一方でこうした資金調達ブームはなお初期段階にあると指摘した。

市場では、AI投資資金を確保するための企業の過去最高規模の社債発行が需給バランスを崩して債券売りを招き、先月には超長期国債利回りが2002年以来の高水準に上昇したとの見方が広がっている。

これに対しTBACは「米国債入札の結果から、26年のテクノロジー関連の起債が超長期国債への需要を圧迫した証拠は見当たらない。仮にテクノロジー投資が金利に影響しているとしても、その経路はクラウディングアウトではなく、より強い経済成長を通じたものだとの認識で一致した」と説明した。

TBACは利回り上昇の主因として経済成長見通しや政策期待、エネルギー価格を挙げた。ただテクノロジー企業による大量起債や将来の資金需要を巡る不透明感が、同セクターのスプレッド拡大と長期資金の獲得競争の激化につながっているとも分析した。

また米テクノロジー分野への資金供給を目的とした海外投資家の資金流入がドル高を促し、金融環境の引き締まり要因になっていると指摘。大型起債の集中時期には、米国債発行時の利回り上乗せ幅(コンセッション)やヘッジ取引の動向にも一定の影響を及ぼすかもしれないと付け加えた。

それでも海外投資家による米国債など米ドル建て債券への需要は今年に入って回復しており、投資家層の拡大によって追加的な供給も吸収できると述べ、家計や民間年金基金は依然として債券保有比率が低く、現金や株式から資金を一部移すだけでも、今後見込まれる借り入れ需要の大半を吸収可能だと強調した。

さらに米国債需要を押し上げる方策として、銀行のバランスシート規制の緩和を提言。レバレッジ比率規制の対象から米国債を除外することや、レポ市場へのアクセス拡大、レポ取引に関する会計・税制・実務上の障壁の見直しを求めた。

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