Takahiko Wada Makiko Yamazaki
[東京 5日 ロイター] - 慶應義塾大学経済学部の土居丈朗教授は、ロイターのインタビューで、新たな防衛力整備計画の策定に当たって、高市早苗首相が防衛費増額の財源は「国債に頼らない」と明言すべきだと述べた。財源として取り沙汰されている法人税率の引き上げは反対だと話した。その上で、年間の防衛費が膨張していくことの是非を国民に問うべきだと語った。
土居教授は財務省の財政制度等審議会で委員を務める。
防衛力整備計画は日本の安全保障政策の基本方針を定めた「安保3文書」の1つ。政府は安保3文書の年内の改定を目指している。政府・与党内では、2027年度から5年間の防衛力整備計画に必要な経費を70―80兆円とする案が浮上している[が、財源は明らかになっておらず、市場関係者は先行きの金利上昇要因として警戒している。土居教授は、高市首相が国債に頼らないと明言すれば「マーケットも心穏やかになると思う」と述べた。
防衛費増額の財源に充てるために法人税を引き上げることについては、日本企業の競争力を奪うとして「反対だ」と話した。土居教授は、新たな5年間の防衛費の計画について「本当にこの規模でいいのか、国民に正面から問うべき時期に来ている」と述べた。5年間の必要経費を70兆円とすれば年14兆円になるが、これは文教・科学振興費の約2年分に相当する。
国債投資家のすそ野を拡大し、安定消化に万全を期す観点から、政府は国債の魅力向上策を検討しているが、土居教授は「魅力向上も大事だが、国債発行額をきちんとコントロールすることに注力した方が物事を大きく変えることになる」と述べた。国債発行額は新型コロナウイルスの感染拡大への対応で膨らんだ20年度を境に高水準が続いている。国債発行の段階的な減額方針を示せば「発行側にとっての不必要なプレミアムは小さくできるのではないか」と話した。
*インタビューは4日に実施しました。