<為替> 欧州中央銀行(ECB)が金利据え置きを決定したものの12月の利上げに含みを残したことを受け、ユーロが上昇した。ドルは経済指標でインフレ加速が示されたことでおおむね軟調。円は日銀が31日に発表する金融政策決定会合の結果が注目される中、対ドルでほぼ横ばいで推移した。
ECBはこの日に開いた理事会で、予想通りに金利据え置きを決定。ただ、エネルギー価格の急騰を受けてインフレリスクが高まっていると警告し、12月の利上げの可能性に含みを残した。ECBはまた、ラガルド総裁が来年2月7日に退任すると発表。任期は27年10月までだった。
ソルトマーシュ・エコノミクスの欧州担当エコノミスト、マルシェル・アレクサンドロビッチ氏は「ECBは予想通りに金利を据え置いたが、インフレ見通しの上振れリスクを挙げ、12月の利上げが十分にあり得ることを示唆した」と指摘。「金利据え置きよりも、ラガルド総裁が来年10月ではなく2月に退任すると発表されたことが大きなニュースだった」とし、1月初めに退任するイザベル・シュナーベル専務理事と、5月に退任予定のフィリップ・レーン専務理事兼チーフエコノミストに言及し、「(ラガルド氏の早期退任は)市場にとって驚きではなかったが、ECBが2027年前半に大規模な人事刷新を迎えることが改めて意識される」と述べた。
ユーロは対ドルで一時5月以来の安値を付けたものの、その後は上向き、終盤の取引で0.13%高の1.1167ドル。
日銀は29─30日の金融政策決定会合で金利据え置きを決定すると広く予想されている。バンク・オブ・アメリカのイズミ・デバリエ氏らアナリストは投資家向けリポートで「日銀の政策決定会合で円相場が大きく動くとは予想していないが、基調的なインフレ圧力が根強いことを踏まえると、タカ派的な反対票が複数出れば円高方向の反応が強まる可能性がある」とした。
終盤の取引で円は対ドルで0.05%安の157.91円。
米連邦準備理事会(FRB)は28日までの2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。11月3日に中間選挙を控える中、インフレ動向に関する一段のデータを見極める姿勢を示した。ただ、商務省がこの日に発表した9月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比3.6%上昇し、伸びは8月の3.4%から加速。FRBが12月の次回会合で追加利上げに動くとの見方が強まった。
CMEフェドウォッチによると、FRBが12月の会合で利上げを決定する確率は約80%。
主要通貨に対するドル指数は0.14%安の101.98。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが低下した。株式市場で人工知能(AI)関連の不安が再燃する中、朝方発表された米インフレ指標の内容を消化する展開となった。
米商務省経済分析局(BEA)が発表した9月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月比で0.5%上昇とエコノミスト予想と一致した。第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比3.4%増加し、市場予想を上回った。利回りは取引序盤、これら指標の発表を受けて低下幅を拡大した。
CMEのフェドウオッチによると、金利先物が織り込む12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの確率は約78%と、指標発表前の約83%から低下した。
ジェフリーズの米国担当チーフエコノミスト、トーマス・シモンズ氏は、これらの指標を受けて投資家は、経済成長の勢いはあとどれだけ持続するのかと考えるかもしれないと指摘。一方で「9月の個人所得・支出データは、横ばいとなって低調に四半期を締めくくっただけでなく、貯蓄率が4%を下回ったことも示した」と述べた。
スパルタン・キャピタル・セキュリティーズの主任市場エコノミスト、ピーター・カルディロ氏は、GDP指標について「GDP成長率は良好な数字だったが、その大部分はAI関連支出の伸びという形で表れたものだ」と述べた。
10年債利回りは6.5ベーシスポイント(bp)低下の4.98%。
30年債利回りは4bp低下の5.321%。
2年債利回りは8.7bp低下の4.648%となった。
2年債と10年債の利回り格差は33.0bpと、28日の34.10bpから縮小した。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.480%、10年物が2.357%となった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 反落。注目企業の決算や重要なインフレ指標を消化する中で、投資家は大手テクノロジー企業による巨額のAI(人工知能)投資を見直した。
主要3株価指数はいずれも下落。28日に発表されたアルファベットの低調な四半期決算を受け、テクノロジー株比率の高いナスダックの下げが最も大きかった。一方、小型株で構成するラッセル2000指数は1.0%上昇した。
半導体株は5営業日ぶりに反落。野心的なAI投資の資金を自力で賄える企業と、手元資金を取り崩し借り入れに頼る企業を選別する動きが広がった。
アルファベットは前日の決算発表を受けて後者と見なされた。中核の検索広告事業が振るわず売上高が市場予想を下回ったほか、AI関連の資金流出も大幅に拡大した。株価は12.6%急落し、通信サービス指数を押し下げた。
ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は「こうしたリスク回避の日に小型株が相対的に好調なのは、AIの成長シナリオにほころびが見えても市場全体に問題が広がるわけではないと、市場が今のところ受け止めていることを示す良い兆候だ」と指摘。「AI関連株以外にも、かなり有望な投資先は数多くある」と述べた。
米商務省が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比年率3.4%増加し、市場予想を上回った。底堅い個人消費とAI関連の企業投資が、中東紛争に伴う原油価格上昇の影響を補い、成長率は1年ぶりの高い伸びとなった。また、9月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比3.6%上昇し、8月の3.4%上昇から伸びが加速した。
重機大手キャタピラーは9.3%下落。四半期利益が市場予想を上回ったものの、成長目標を据え置いた。
一方、第3・四半期売上高が市場予想を上回ったフォード・モーターは12.4%上昇した。
製薬大手イーライ・リリーは6.6%高。肥満症治療薬の好調な販売を受け、売上高見通しを引き上げた。
メルクも3.8%上昇。がん治療薬「キイトルーダ」とヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン「ガーダシル」の販売が好調で、利益が市場予想を上回った。
ソフトウエア株は総じて軟調で、フォーティネットとサービスナウは四半期決算発表後にいずれも20%超下落した。
半導体大手マーベル・テクノロジーは13.2%下落。データセンター向け光学部品を手がけるルメンタム・ホールディングスの買収に向け、詰めの協議を進めていると報じられた。ルメンタムは0.6%上昇した。
アマゾン・ドット・コムは第4・四半期の売上高見通しが失望を誘い、時間外取引で6.5%下落した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.95対1の比率で上回った。ナスダックでも1.07対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は約170億5000万株。直近20営業日の平均は170億9000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 9月の米個人消費支出(PCE)価格指数の上昇が加速し、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利上げを実施するとの観測が強まり、金は1%超下落した。
スポット金は1オンス=4008.76ドルと前日比1.4%安、米金先物12月限は0.5%安の1オンス=4031.40ドルで取引を終えた。
金は2カ月連続で下落する見通しとなっている。
市場では12月のFRB利上げの確率が約80%と見込まれており、金利のない金の魅力が低下している。市場関係者は、エネルギー価格の動向や11月3日の米中間選挙が今後の相場に影響を与える可能性があると指摘している。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米国とイランの和平協議への期待が中東情勢の緊迫化による供給懸念を一部相殺し、不安定な値動きの中で下落した。
米WTI先物の清算値は、前日比0.78ドル(0.76%)安の1バレル=102ドルだった。北海ブレント先物は0.44ドル(0.38%)安の114.88ドル。
両指標とも取引時間中に一時2ドル超下落し、前日の上昇分(ブレント1.3%、WTI3%)の一部を打ち消す場面もあった。
11月3日の米中間選挙後にトランプ米大統領政権がイランへの攻撃に踏み切るとの懸念も根強く、相場の下値を限定した。
ロシアからの原油・ディーゼル生産増加観測も相場の重しとなった。JPモルガンのアナリストは、10月15日のリャザン製油所攻撃以降、ロシアの製油所施設に対する新たな攻撃は確認されておらず、ロシアの製油所稼働率は先週、日量35万バレル増の同400万バレルに回復したと指摘した。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 157.69/157.73
始値 158.01
高値 158.12
安値 157.65
ユーロ/ドル NY終値 1.1178/1.1182
始値 1.1148
高値 1.1185
安値 1.1106
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*13.50 5.2975%
前営業日終値 96*16.00 5.3610%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*19.00 4.9369%
前営業日終値 96*25.00 5.0450%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.25 4.7410%
前営業日終値 99*15.00 4.8710%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.38 4.6020%
前営業日終値 99*25.38 4.7350%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 52342.56 -132.54 -0.25
前営業日終値 52475.10
ナスダック総合 26184.72 -365.13 -1.38
前営業日終値 26549.85
S&P総合500種 7720.39 -23.59 -0.30
前営業日終値 7743.98
COMEX金 12月限 4031.4 ‐20.2
前営業日終値 4051.6
COMEX銀 12月限 5238.0 ‐128.6
前営業日終値 5366.6
北海ブレント 12月限 114.88 ‐0.44
前営業日終値 115.32
米WTI先物 12月限 102.00 ‐0.78
前営業日終値 102.78
CRB商品指数 411.4165 ‐2.2668
前営業日終値 413.6833