Aditya Soni Anzar Mehraj
[28日 ロイター] - 米IT大手オラクルは28日、フリーキャッシュフロー(純現金収支=FCF)が2028年度下期(27年12月─28年5月)に黒字化し、29年度(28年6月─29年5月)には300億ドルを超えるとの見通しを示した。人工知能(AI)向けクラウド基盤拡充のための設備投資は今期および来期にピークを迎えた後で減少すると予想し、30年度(29年6月-30年5月)までのAI関連の追加資金調達額は最大200億ドルに抑える方針も明らかにした。
AI向けデータセンター建設に伴い、オラクルが今後さらに巨額の資金調達を迫られるのではないかとの市場の懸念が和らぎ、株価は10%超上昇。コアウィーブやネビウスといった他のクラウド関連銘柄も買われた。
オラクルはマイクロソフトやアマゾンといった大手クラウド事業者に比べ収益基盤が小さいだけでなく、赤字が続くオープンAIへの依存度が高いことから、AIインフラ投資負担への懸念の中心となっていた。
オープンAIとの提携により、オラクルのクラウド受注残高は数千億ドル規模で積み上がったが、契約履行に必要なデータセンターやAIインフラ整備のため、負債や株式発行による資金調達を進めてきた。
ただオラクルは、ベンダーファイナンスや顧客提供のハードウエア、顧客からの前払い金により、フリーキャッシュフローが黒字化するまでの資金需要を抑えられるとの見方を示した。また29年度には成長資金のための外部調達を終了し、純有利子負債は年間コア利益の3.5倍未満まで低下する見通しとしている。
イーマーケターのアナリスト、ジェーコブ・ボーン氏は「オラクルは巨額のAIインフラ投資について、無秩序に資金を投じているのではなく、明確な計画に基づいて進めていることを投資家に示そうとしている。今回の予測は野心的で、達成が保証されているわけではない。しかし投資家の懸念を理解していることを物語り、その懸念を解消するための前向きな道筋を提示したと言える」と評価した。
オラクルは27年度(26年6月-27年5月)中に負債と株式発行を通じて計400億ドルを調達する方針を表明しており、このうち200億ドルの増資は既に完了した。8月31日時点の手形債務およびその他借入金残高は1253億4000万ドル、現金および現金同等物は約363億7000万ドルだった。
ヒラリー・マクソン最高財務責任者(CFO)は「27年度の残り期間に必要な追加資金は最大200億ドルだと説明してきた。この200億ドルは負債と株式で半分ずつ調達する計画で、今回がこの投資サイクルに必要な最後の資金調達となる」と語った。
オラクルは30年度の業績について、売上高が2250億ドル超、調整後営業利益率が40%超、調整後1株利益が21ドル超になると予想した。27年度見通しは売上高900億ドル超、調整後1株利益8.10ドルを維持した。