David Milliken
[ロンドン 28日 ロイター] - 英財務省傘下の債務管理庁(DMO)は28日、ヒーリー財務相によるバーナム政権初の予算案発表を受け、2026/27年度の国債発行額を44億ポンド(59億ドル)増額し、短期国庫証券(Tビル)の発行も30億ポンド積み増すと発表した。
4月に示した発行計画からの増額幅は比較的小さく、ロイターが実施したプライマリーディーラー調査の予想とほぼ一致した。これを受けて英国債価格は上昇し、特に20年債と30年債が買われて、これらの利回りは約1カ月ぶりの低水準になった。
改定後の発行計画では、高コストとなっている超長期債発行の比率を引き下げる流れが継続。27/28年度の暫定計画でも、将来の発行増加見通しは市場関係者が想定していたほど大きくなかった。
26/27年度の国債総発行額は2506億ポンドとなり、ロイター調査の予想中央値2496億ポンドとほぼ一致。4月時点の計画は2462億ポンドだった。
Tビルの純発行額は80億ポンドで、市場予想の100億ポンドを下回ったものの、年度当初計画の50億ポンドからは増加した。
27/28年度の総資金調達必要額(国債、Tビル発行およびその他借り入れを含む)は3126億ポンドとなる見通し。3月と4月時点の予測3076億ポンドから引き上げた。ロイター調査では市場参加者の予想中央値は3343億ポンドで、DMOの見通しはこれを大きく下回った。
レイモンド・ジェームズの債券調査責任者オリバー・ファイザラー氏は「市場の反応が比較的落ち着いていることが示す通り、今回の発行計画は概ね消化可能な規模。現在の水準の英国債利回りは引き続き魅力的だ」と述べた。
<長期債発行抑制>
今回の改定では、満期まで15年以上ある長期債の発行比率をさらに引き下げ、今年度全体の発行額に占める割合を7%未満とする計画が示された。これは1990/91年度以来で最低の比率で、5年前の30%超から大幅に低下する。
DMOは当初計画よりもシンジケート方式による国債販売の割合を引き上げる方針も打ち出した。
<12カ月物発行開始へ>
Tビルは市場の拡充に向けて純発行額を増やす。英国ではTビルが長期の政府債務に占める割合が他の先進国と比べて低く、主に年度内の資金繰り管理に利用されている。
こうした中でDMOは来年1月に初めて12カ月物Tビルを発行するとともに、市場流動性向上を目的とした「Tビル常設レポ・ファシリティー」を創設する。この制度はTビルのプライマリーディーラーを対象とし、貸出金利はイングランド銀行(中央銀行)の政策金利を20ベーシスポイント下回る水準を軸に設定される予定で、今後見直しの可能性もある。
さらにDMOは、発行済み各Tビルについて2億5000万ポンド規模の担保プールを設け、対象となる取引先が同プールから証券を借り入れられる仕組みを導入すると発表した。