<為替> 米連邦準備理事会(FRB)が金利据え置きを決定したことを受け、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対して下落した。
FRBはこの日までの2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を3.75-4.00%に据え置くと決定。11月3日に中間選挙を控える中、インフレ動向に関する一段のデータを見極める姿勢を示した。
金融市場はFRBの決定発表直後は大きく反応しなかったが、ウォーシュFRB議長の記者会見が始まるとFRBの金利見通しに敏感な2年債利回りが低下。イールドカーブ(利回り曲線)のスティープ化が進んだ。CMEのフェドウオッチによると、市場では次回12月のFOMCで利上げが決定される確率は約85%と織り込まれている。
バノックバーン・グローバル・フォレックスのマーク・チャンドラー主席市場ストラテジストは「イールドカーブのスティープ化を受け、ドルはFOMC前の水準から軟化した」と指摘。オーシャン・パーク・アセット・マネジメントのジェームズ・セントオービン最高投資責任者(CIO)は「今回の結果はほぼ市場予想通りだった」と指摘。「利上げの可能性はもともと高くなかった」と述べた。
終盤の取引で、ドル/円は0.04%安の157.87円。ユーロ/ドルは0.32%高の1.1160ドル。主要6通貨に対するドル指数は0.2%安の102.15。
ポンド/ドルは0.12%高の1.3323ドル。英国のヒーリー財務相はこの日、バーナム政権で初となる予算案を議会に提示。エネルギー料金への補助や、燃料税の凍結など、数十億ポンド規模の家計支援策を盛り込んだ。財源確保のため、銀行や賭博に対する増税などに踏み切り、財政均衡への配慮も示した。
ニュージーランドドルは対米ドルで一時1.74%安の0.5583米ドル。ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)はこの日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を予想外に2.75%に据え置いた。据え置きは市場の予想外で、多くのエコノミストは利上げを見込んでいた。
カナダドルは対米ドルで0.37%高の1.40カナダドル。カナダ銀行(中央銀行)はこの日、政策金利を0.25%ポイント引き上げ2.5%とした。利上げは2023年7月以来、約3年ぶり。中銀はエネルギー価格の急騰が幅広い物価上昇につながるのを防ぐため追加利上げが必要になる可能性があると示唆した。
今週は欧州中央銀行(ECB)が29日、日銀が30日に金融政策決定を発表。市場では両中銀とも政策金利を据え置くとの見方が大勢になっている。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 長期債利回りが上昇幅を拡大した。米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を据え置いた一方、景気判断を上方修正した。
序盤に上昇していた2年債利回りは、終盤には低下に転じた。景気見通しの指標として注目される2年債と10年債の利回り格差は拡大し、終盤で32ベーシスポイント(bp)となった。27日終盤は約25bpだった。
CMEのフェドウオッチによると、金利先物市場が織り込む12月の次回会合での25bp利上げ確率は、直近で約82%と、この日序盤の約75%から上昇した。
FRBは27─28日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を3.75-4.00%に据え置くと決定した。
FRBは声明で、インフレはなお高水準にあると指摘するとともに、景気判断を引き上げ、今後のインフレ動向次第では追加利上げを実施する可能性を示唆した。
ポトマック・ファンド・マネジメントの経済ストラテジスト、ショーン・スナイダー氏は「FRBは経済活動が『堅調』ではなく『力強い』ペースで拡大していると表現し、経済見通しの評価を引き上げたようだ。経済がこれほど強く、インフレも根強いのなら、なぜ今利上げしないのかという疑問が生じる」と語った。
指標となる米10年債利回りは直近で4.3bp上昇の5.036%。22日以来の高水準を付けた。30年債利回りは5.8bp上昇の5.363%となり、こちらも22日以来の高水準を付けた。
2年債利回りは直近で2.5bp低下の4.712%だった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が直近で2.495%。10月27日終盤は2.469%だった。
10年物のBEIは直近で2.376%となった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 続伸。FRBが大方の予想通り政策金利を据え置き、利上げの可能性を巡る焦点は12月の次回金融政策会合に移った。
FRBは声明で、インフレはなお高水準にあると指摘するとともに、景気判断を引き上げ、今後のインフレ動向次第では追加利上げを実施する可能性を示唆した。ウォーシュ議長は記者会見で、FRBは行動する意思と用意があることを明確にしてきたと述べた。nL6N46E17M
カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「FRBは予想外の動きを一切見せなかった」とし、「据え置きは広く予想されていたため、大きなサプライズはなかった」と語った。
主要株価3指数は政策決定発表後からウォーシュ氏の記者会見を通じて上下に振れたが、いずれも上昇して取引を終えた。
CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む12月の25ベーシスポイント(bp)利上げ確率は85.0%と、前日の78.3%から上昇した。
利上げ見通しは29日に発表される個人消費支出(PCE)統計や第3・四半期国内総生産(GDP)速報値など経済指標によって変わる可能性がある。
メモリー半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーが5.9%上昇。韓国の競合SKハイニックスが28日発表した第3・四半期(7─9月)決算で、営業利益が前年同期の7倍超に増え、過去最高を更新したことが材料視された。SKハイニックスの米上場株も13.3%高で引けた。
フィラデルフィア半導体指数は1.8%高で4営業日続伸。大規模クラウド事業者による人工知能(AI)への巨額投資に対する懸念を背景とした最近の売りから持ち直した。
引け後に四半期決算を発表したマイクロソフトは時間外取引で4%超上昇。一方、グーグルの親会社アルファベットは決算発表を受け、時間外取引で7%超下落した。
インターネット証券会社ロビンフッド・マーケッツは3.3%安。暗号資産(仮想通貨)の軟調が響き、第3・四半期利益が市場予想を下回った。
デジタルインフラ企業のバーティブは16.5%急伸。四半期決算が市場予想を上回り、通期の利益と売上高の見通しを引き上げた。
医療機器のボストン・サイエンティフィックは5.8%安。通期利益見通しの引き下げを嫌気した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.05対1の比率で上回った。ナスダックでも1.48対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は約166億7000万株。直近20営業日の平均は171億株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 原油高が重しとなり下落した。FRBが大方の予想通り政策金利を据え置いた後の、ウォーシュ議長の発言を見極める展開となった。
スポット金は1オンス=4039.39ドルと0.5%安、米金先物12月物の清算値(終値に相当)は0.6%安の1オンス=4051.60ドル。
金相場はFRB政策声明の発表後ほぼ変わらずで推移。ウォーシュ議長の記者会見中に一時プラスに転じたものの、再び下落した。
独立系金属トレーダーのタイ・ウォン氏は、米長期国債利回りの上昇が金相場に圧迫要因になるとの見方を示しつつも、金属相場が急落するとはみておらず、ただ上値も限定的だと指摘した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 中東での供給途絶懸念が改めて意識され、約1%上昇した。
米WTI先物の清算値(終値に相当)は、前日比2.88ドル(3%)高の1バレル=102.78ドル。北海ブレント先物は1.44ドル(1%)高の115.32ドルで清算した。この日の上昇でブレントは買われ過ぎ圏に戻った。直近5営業日のうち4度目となる。
イエメン政府軍によると、イランと連携する親イラン武装組織フーシが同日、アデン空港を攻撃した。フーシは前日、米国に次ぐ世界第2位の産油国サウジアラビアの最大の製油所をミサイルで攻撃したと表明しており、中東の緊張が一段と高まっている。
複数のアナリストは、11月3日の米中間選挙後に米国のイラン攻撃が再開される可能性を指摘している。
米エネルギー情報局(EIA)が同日発表した週報で、10月23日までの1週間の原油在庫が190万バレル減少し、市場予想に反して取り崩しとなったことも相場を支えた。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 157.82/157.85
始値 157.89
高値 158.34
安値 157.78
ユーロ/ドル NY終値 1.1152/1.1156
始値 1.1123
高値 1.1169
安値 1.1121
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*30.00 5.3307%
前営業日終値 97*10.00 5.3050%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*03.00 5.0030%
前営業日終値 97*05.50 4.9930%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.00 4.8211%
前営業日終値 99*19.13 4.8420%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*28.38 4.6850%
前営業日終値 99*25.25 4.7370%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 52475.10 +97.53 +0.19
前営業日終値 52377.57
ナスダック総合 26549.85 +72.04 +0.27
前営業日終値 26477.81
S&P総合500種 7743.98 +21.38 +0.28
前営業日終値 7722.60
COMEX金 12月限 4051.6 ‐23.0
前営業日終値 4074.6
COMEX銀 12月限 5366.6 ‐84.7
前営業日終値 5451.3
北海ブレント 12月限 115.32 +1.44
前営業日終値 113.88
米WTI先物 12月限 102.78 +2.88
前営業日終値 99.90
CRB商品指数 413.6833 +1.8340
前営業日終値 411.8493