Maria Cheng Andrew Gray
[オタワ/ブリュッセル 28日 ロイター] - カナダを欧州連合(EU)初の「準加盟国」として受け入れる構想について、30日から開かれるEU・カナダ首脳会合の共同声明に盛り込まれないことが28日、ロイターが入手した草案で分かった。
EU・カナダ首脳会合はカナダのカーニー首相の主催でモントリオールで開幕。関係を一段と緊密化することで合意すると見られているが、声明草案によると、カナダとEUの関係を定義する作業は来年のEU・カナダ首脳会合まで継続される。
これまでの共同声明案には、カナダを「準加盟国」と位置付ける表現が少なくとも2カ所盛り込まれており、この用語の定義づけにはさらに1年を要するとの認識も示されていた。EUの「準加盟国」には前例も法的定義も存在しない。
カナダをEUの「準加盟国」とする構想については、EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長が9月16日に行った欧州議会での一般教書演説で表明。カーニー首相はその翌日に行った欧州議会での演説で、同構想を歓迎し、米国と中国が支配する世界で市場、民主主義、法の支配を守るため、カナダと欧州が連携を強化すべきだと訴えていた。
ただ、ドイツを中心とする一部加盟国が「準加盟国」という法的地位がなく、内容も具体化されていない構想を受け入れることはできないと主張するなど、EU・カナダ首脳会合の共同声明を巡りEU加盟国の間で見解の相違が出ていた。
トランプ米大統領がカナダ製品に関税を課す中、カーニー首相は欧州との関係強化を戦略の重要な柱の1つとしている。ただ、カナダのEUへの接近はトランプ大統領の反発を招く可能性もある。実際、トランプ大統領はカナダをEUの「準加盟国」とする提案を「ばかげている」と非難し、こうした動きを自身が「敵対行為」と見なした場合は、欧州との貿易を多くの分野で停止する可能性があると警告している。