Promit Mukherjee David Ljunggren
[オタワ 28日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は28日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げて2.5%とした。2023年7月以来、約3年ぶりとなる利上げに踏み切った。利上げは市場で広く予想されていた。中銀は、エネルギー価格の急騰が幅広い物価上昇につながるのを防ぐため、追加利上げが必要になる可能性があると指摘した。
マックレム総裁は記者会見の冒頭で「インフレ見通しが大幅に高まり、経済が底堅さを示している中、高止まりするエネルギー価格が波及して一般的なインフレになるリスクを減らすため、政策金利の引き上げが必要だ」と述べた。同時に「政策金利をさらに引き上げる必要があるかもしれないが、不透明感を踏まえ、慎重に進める」とも語った。
中銀は2027年のインフレ見通しを、7月時点で予想していた2.0%から3.1%に引き上げた。2026年の成長率は1.0%になるとし、7月時点の0.7%から上方修正した。9月のインフレ率は前年同月比3.2%となり、中銀の目標範囲である1─3%を上回った。上昇はほぼ全て、エネルギー価格と、それに関連する輸送費の上昇によるものだった。
マックレム氏は、インフレ率は年末時点で3.5%となり、2027年の大半で3%前後にとどまった後、2028年半ばまでに目標の2%近辺に戻るとの見通しを示した。「政策委員会は、インフレのリスクが高まり、金融緩和の余地が狭まったとの認識で一致した」という。
ただ、今回の利上げ後も、政策金利はなお中立金利を下回っているとみられる。中立金利とは、引き締め的でも緩和的でもないとされる金融政策の水準を指す。
マックレム氏は、過去の経験と中銀の各種調査から、コストの転嫁は向こう1年で拡大し、全体のインフレを押し上げるとみられるとし、「エネルギー価格の上昇とコスト転嫁が組み合わさることで、インフレの持続性が高まる」と警戒感を示した。ただ、米国との貿易摩擦や中東紛争のより早期の解決といった不確定要素が残っているとも付け加えた。
マックレム氏は、米国の新たな関税が第4・四半期の景気減速につながるとしつつ、消費支出の継続、輸出の持ち直し、企業投資の拡大により、成長は2027年に再び加速するはずだと自信を示した。
中銀の最新の金融政策報告書によると、カナダ経済は第2・四半期に年率3.3%という堅調な成長を記録した後、第3・四半期に2%へ減速し、第4・四半期にはさらに0.8%まで鈍化する見通し。
ただ、国内総生産(GDP)見通しについては、27年・28年いずれも、7月時点で予想した1.8%から2%へ上方修正した。
マックレム氏は、この成長の上積みが、経済における需給の緩みを吸収する一助になると述べた。
CIBCキャピタル・マーケッツのアンドルー・グランサム上級エコノミストは「世界的なエネルギー価格を巡る動向が幾分落ち着けば、基調的なインフレ指標が中銀が懸念するほど加速するとは考えていない」とし、「このため、政策金利を2.75%を超える水準まで引き上げる必要はないとみている」と述べた。
短期金融市場では、来年1月に25bpの利下げが実施されるとの見方が織り込まれている。一方、政策金利は来年末までに3.25%へ上昇するとの見方も示されている。
カナダ中銀の次回の政策決定会合は12月9日。