Alexander Cornwell
[エルサレム 27日 ロイター] - イスラエルで27日行われている総選挙を巡り、ネタニヤフ首相と極右の連立政党はアラブ系有権者の投票率急増を警告し、支持者への投票呼びかけに最後の追い込みをかけた。アラブ系政治家はこの手法を人種差別的で扇動的だと非難した。
ネタニヤフ氏率いるリクードの旗を掲げた車がエルサレム市内を走り、イスラム教の礼拝への呼びかけを大音量で流しながら、「アラブ人が投票している」として支持者に投票を促す宣伝を行った。
ネタニヤフ氏はソーシャルメディアへの一連の投稿で、アラブ系コミュニティーの投票所に長い列ができているとし、ニカブを着た女性を含むアラブ人が投票を待つ様子だとする画像を公開。「今目を覚まさなければ、マンスール・アッバス氏やアフマド・ティビ氏の政権ができてしまうことになる」と投稿し、イスラエルにおける主要なパレスチナ系アラブ人政治家2人に言及した。
選挙管理委員会によると、投票開始から9時間で投票率は55.7%に達し、過去最速のペースとなった。大半がパレスチナ系であるアラブ系は人口1000万人のイスラエルの約21%を占め、従来はユダヤ系イスラエル人より投票率が低かった。
アラブ系政党の候補者ティビ氏は、イスラエルのアラブ系少数派の高い投票率は「政権交代への道を開き、深刻な現実を変える」と述べた。
アラブ系政党バラドの党首サミ・アブシェハデ氏はXに、投票所の外にできた長い列は「民主主義を信じる全ての人に誇りと喜び」をもたらすはずだと書き込んだ。
ネタニヤフ氏は過去の選挙戦でも、アラブ系の高い投票参加を脅威として描き出すことで右派支持者を動員しようとしてきた。これは反対派から人種差別だとの非難を招いてきた。
世論調査は、ネタニヤフ氏の連立政権が議会での過半数を失う方向にあることを示している。もっとも、野党各党も過半数政権樹立に必要な61議席の確保に苦戦するとみられている。
スモトリッチ財務相が率いる宗教シオニズム党は選挙当日の選挙活動を中断し、アラブ系有権者の高投票率について協議する緊急会合を招集した。