※トランプ大統領の再就任で、アメリカはどこへ向かうのか。連載「トランプのアメリカはどこへ向かう」では、11月の中間選挙をはじめ、国内政治から経済、外交・安全保障まで、トランプ政権の動向と世界や日本への影響を読み解きます。 

今のアメリカ経済は近年まれに見るほど好調であり、それはドナルド・トランプ大統領とその政権の見事な成果だ──。中間選挙の投票日を間近に控えて、共和党候補の応援に全米各地を駆け回る政権幹部は口をそろえて、そう強調している。

一部の経済指標は実際に堅調だ。第2四半期のGDP(国内総生産)は年率換算で2.2%の伸びを示しており、第3四半期もそれ以上だったと推定される。労働市場も、おおむね安定している。

ウォール街は強気一点張りで、代表的な株価指数のS&P500は10月初めの時点で年初来12.8%も上昇していた(あと1%上がれば新記録だった)。ハイテク株中心のナスダックも17%上がった。

それでも秋以降の世論調査を見る限り、有権者の多くにはそんな数字を気にする余裕がないらしい。例えば10月1日に発表されたAP通信とシカゴ大学NORC公共問題研究センターの共同世論調査によると、トランプ大統領の経済運営をおおむね支持する人は26%で、物価(生活費)政策に限れば17%(1期目と2期目を通じて最低)まで落ち込んでいた。

なぜか。好景気の恩恵に浴しているのはトランプと、その同類だけだからだ。

言うまでもないが、たいていのアメリカ人はトランプの同類ではない。そしてトランプ政権の誇る経済統計や企業利益の数字がいくらよくても、たいていのアメリカ人が日々の暮らしで目にしているのは別の数字。例えば給油所に掲示されるガソリン代であり、スーパーで受け取るレシートに書いてある金額だ。しかし大統領とその側近たちには、有権者が政権の経済政策を評価しない理由が分からず、怒り、動揺するばかりだ。

経済政策に関する「説明が下手」なのか
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