日本では、NHKの受信料をめぐる議論がたびたび話題になる。テレビをほとんど見ないのになぜ受信料を払わなければならないのかというような不満から、受信料制度そのものの見直しを求める声もある。ところが、チェコでは逆のことが起きている。政府がテレビやラジオの受信料を廃止しようとしているのに、市民が大規模な抗議デモを行っているのだ。
『チェコ・テレビ』などの複数の現地メディアによると、10月25日、チェコの首都プラハの旧市街広場に数千人の市民が集まった。AP通信などによると、デモを主催したのは、市民団体「民主主義のための100万の瞬間」。参加者はチェコの国旗やプラカードを掲げ、政府が進める公共放送の財源改革に抗議した。会場では政府の退陣を求める声も上がり、受信料廃止法案の撤回と十分な公開討論を求める訴えが続いた。主催団体のミクラーシュ・ミナージュは、政府の対応は行き過ぎだと批判した。さらには、ブルノやリベレツなど各地でも、市民が公共放送を支持する集会を開いている。
『ロイター通信』などによると、事の発端は、アンドレイ・バビシュ首相率いる連立政権が、公共放送の財源を変更する法案の審議を急いだことだった。下院は10月23日、与党の賛成多数で法案を優先的に審議することを決定。野党が反発するなか、議会での議論は深夜まで続き、翌24日の午前4時36分に採決が行われた。法案は第一読会を通過し、第二読会へ進んだが、反対派は公共放送の将来に関わる重要な制度変更について、十分な議論が行われていないことに反発している。