Makini Brice Crispian Balmer
[パリ 23日 ロイター] - フランスで生活費の高騰などに抗議するデモが大規模な暴動に発展してから1週間が経過する中、ニュネス内相は23日、暴力行為や略奪の再発を防ぐため、24日に全国で予定されている抗議活動に対応するため7万人の警察官を動員すると発表した。政府が治安維持能力を失ったとの懸念を払拭するため、精鋭治安部隊や重武装の機動隊を通常の警察部隊とともに配備し、厳戒態勢で臨む。
ニュネス氏は記者団に対し「暴徒や略奪者、あらゆる暴力行為を行う者に対し一切妥協しない」と述べた。「極左」団体がインターネット上で公共施設を標的にし、一段の無秩序状態を引き起こすよう呼びかけていると言及し「これは平穏で友好的なデモではない。最大限の警戒態勢を敷き、断固として対応する。一切の違法行為を容認しない」と語った。
警察当局は24日に首都パリで予定されるデモについて、労働組合による1件のみを許可。フランス最大の学生組合UNEFや、2018年に発足した反体制運動「黄色いベスト運動」が申請した集会は許可されなかった。パリ以外の多くの都市でも抗議活動が禁止されたが、第2の都市マルセイユでは禁止命令が撤回され、労組によるデモの実施が認められた。
当局は特に、中部オルレアンで週末に開かれる極右政党「国民連合(RN)」の年次党大会が新たな緊張の火種となる可能性を警戒。ニュネス氏によると、今週末に動員される警察官は前週末より1万人増員される。騎馬警官やヘリコプター、ドローン、対ドローン装備を全国に配備するほか、装甲車や放水車も待機。一部の要警戒地域で導入された夜間外出禁止令は継続されるという。
<ルーブル美術館など休館、サッカー試合も延期>
前週末の暴動再発への懸念から、パリの主要文化施設の一部は24日、終日休館を決めた。対象にはルーブル美術館、オルセー美術館、オペラ座が含まれる。このほか、治安上の懸念から、サッカーフランス1部リーグのパリ・サンジェルマン(PSG)対オリンピック・リヨン戦は開催日が25日から26日に変更された。一方、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のピッツバーグ・スティーラーズ対ニューオーリンズ・セインツ戦は、トランプ米大統領が中止を求めたにもかかわらず、25日にパリで予定通り開催されると見られている。
前週末の暴動で約3000の店舗や事業所が略奪被害を受けていたため、経済団体も小売店に対し休業を呼びかけている。フランス商工会議所のアラン・ディ・クレセンゾ会頭は、一部の商店主は店舗を守るため野球バットや散弾銃などを準備しているとし、自警のために暴力に訴えないよう呼びかけた。
社会不安の拡大を受け、仏経済の先行き懸念が増大。政府が財政支出の抑制に十分取り組んでいないとの懸念が改めて意識される中、格付け会社ムーディーズが23日にフランス国債格付けを引き下げるとの観測が市場で広がっている。