[シンガポール 22日 ロイター] - 米コンサルティング大手マッキンゼーは22日公表した報告書で、アジアでは今後15年間にわたって年間で最大1兆ドルのエネルギー投資が必要になる可能性があるとの試算を示した。
米国とイスラエルのイラン攻撃に端を発した中東紛争によってホルムズ海峡経由の石油・ガス輸送が混乱し、各国がエネルギー安全保障の強化を迫られていることが背景にある。
詳細は以下の通り。
・マッキンゼーはアジアの2040年のエネルギー需要見通しを3億7000万テラジュールとし、25年時点の予測を15%上回る水準へ引き上げた。
・アジアは40年までの世界のエネルギー純需要の増加分のうち約70%を占めると予想されている。
・新たなエネルギー需要源としてデータセンターが台頭しているほか、冷房需要や産業活動に伴うエネルギー需要も増加している。
・石炭は従来の予想よりも長期間にわたりアジアのエネルギー構成に組み込まれたままとなる見通し。中国での需要減少がインドおよび東南アジアでの需要増加によって相殺されるため、域内需要は今後10年間、おおむね横ばいで推移するとみられる。
・天然ガス需要は、各国が発電用エネルギーとして石炭と再生可能エネルギーを優先することから、今後5─10年で伸びが鈍化する見通し。ただ、長期的には産業部門の需要に支えられ、再び増加に転じる可能性がある。
・再生可能エネルギーの導入は加速し続け、とりわけインドと東南アジアで顕著となる。40年まで毎年約3000億ドルが太陽光発電と風力発電に投資されると見込まれている。
・エネルギー安全保障の重視により、中国、フィリピン、タイ、ベトナム、トルクメニスタンでは、政府の支援の下でコストの高い上流資産(石油・ガス開発案件)の開発が進む可能性がある。
・バイオ燃料は40年までに約900億─1000億ドル相当の燃料輸入を代替できる可能性があり、長期的には輸入依存度を低下させる潜在性を秘めている。