Pritam Biswas
[22日 ロイター] - 米ナスダックのアディーナ・フリードマン最高経営責任者(CEO)は22日の2026年第3・四半期決算説明会で、新規株式公開(IPO)市場がやや軟化したと指摘した。マクロ経済の混乱を受け、注目企業数社がIPOを急遽見送らざるを得なくなっていた。
フリードマン氏は一部のセクターの経営陣が突然「IPOのタイミングを再検討している」と指摘した。
ナスダックの第3・四半期の新規上場は167社となり、前年同期の205社から減った。一方でフリードマン氏はナスダックの長期的な「上場のパイプライン(見込み案件)は引き続き旺盛だ」とし、株式市場への上場準備を進める多様な企業群を支援する態勢は整っていると強調した。
米国とイスラエルのイラン攻撃による中東紛争の激化はエネルギー供給に打撃を与え、世界的なインフレ懸念を再燃させた。これを受けて米連邦準備理事会(FRB)は利上げに踏み切った。
30年物米国債利回りが約20年ぶりの高水準圏で推移する中で、資金調達コストの高騰はIPOを計画している企業のリスク選好を劇的に変化させた。この変化により、過去2カ月間にわたってIPOの機運は事実上冷え込んでいる。
スマートリング・メーカーのオーラは9月、市場の変化を理由に、予定していたナスダックへのIPOを延期した。原子力サービス会社ホルテックはIPOの計画を撤回し、市場心理の悪化が株式市場や原子力分野に影響を及ぼしていることを理由とした。他にも多くの企業がIPOを延期した。
IPOの調査と上場投資信託(ETF)を手掛けるルネッサンス・キャピタルのシニアストラテジスト、マット・ケネディ氏は「人工知能(AI)への熱狂が再び高まらない限り、26年末にかけて大幅な回復は見込めない。多くの企業が選択肢を確保するためにIPOの準備を進めており、27年をめどに計画している企業も増えている。現時点では年内のIPOはアンソロピックやバイオテクノロジー分野の企業が中心となる」と指摘した。
ナスダックが22日発表した第3・四半期決算は、市場予想を上回った。同社の株価は午前中に6.7%上昇した。