[ソウル 23日 ロイター] - 韓国半導体大手SKハイニックスは23日、金融市場の変動や最近の株価動向を理由に、米子会社ソリダイムの米国での新規株式公開(IPO)の検討を中断したと発表した。
韓国の金融監督当局は今週、ソリダイムの上場が、株主保護の強化に向け7月に厳格化された国内の親子上場規制に抵触する可能性があると指摘していた。
SKハイニックスの声明によると、今後の投資時期や規模、資金調達方法の見直しを含め、ソリダイムの事業拡大に必要な資金を確保し、株主価値を高める方策を引き続き検討する。「今回の決定は、ソリダイムの成長見通しや投資需要の変化を反映したものではない」とした。
ロイターは先に、IPOで最大150億ドルを調達する可能性があると報じていたが、今回の決定で同案は少なくとも当面は立ち消えとなる。人工知能(AI)関連のメモリー需要急増で投資資金の必要性が高まる一方、子会社上場が既存株主に及ぼす影響を巡る韓国内の懸念も強まっており、両者を両立させる難しさが浮き彫りになった。
SKハイニックスとソリダイムの業績はいずれも好調だが、市場の変動が激しくなり、半導体株全般が調整局面に入ったことから、上場を再検討したと説明した。
SKハイニックス株は、ソリダイムのIPOの可能性が9月下旬に報じられて以降、30%超下落。同期間の韓国総合株価指数(KOSPI)の下落率は20%だった。
ただ、キウム証券のアナリスト、ハン・ジヨン氏は、今回の発表が半導体株に対する投資家心理の改善につながる可能性があると指摘。米メタの信用力への懸念、米AI関連株の売り、原油価格による圧力が繰り返し市場の重荷となり、投資家の信頼を損なってきたと述べた。
ソリダイムは米カリフォルニア州ランチョコルドバに本拠を置き、NAND型フラッシュメモリーとソリッドステートドライブ(SSD)を専門とする。
SKハイニックスは、AI向けのメモリー半導体需要が拡大する中、ソリダイムの事業拡大資金を調達する手段の一つとしてIPOを検討していた。上場による外部資金の調達は、キャッシュフローを改善し、新たな生産施設への投資資金を確保するとともに、配当や自社株買い、自社株消却を通じた株主還元を支える可能性があったと説明した。
また、ソリダイムの成長余地は親会社であるSKハイニックスの企業価値評価に十分反映されていないとし、IPOによって投資家の理解が深まる可能性もあったとした。
午前の取引でSKハイニックス株は約1%安。KOSPIは約1.5%下落している。