ドナルド・トランプ米大統領がオウムを飼っていたとしても、19世紀の第7代米大統領アンドリュー・ジャクソンが飼っていたオウムの「ポル」ほど汚い言葉は覚えないだろう。悪態をつかせたら、トランプなど足元にも及ばないほどジャクソンは口が悪かった(ちなみに、ジャクソンはトランプが自分以外で最も気に入っている大統領だ)。
2026年10月、オハイオ州バンダリアのバトラー高校で開かれた中間選挙の集会で、トランプがまたしても汚い言葉を吐いた。「とにかく投票に行ってくれ……そうすれば……俺たちは圧勝する! そして、あいつらのケツにぶち込んでやる。いいな」
確かに下品な言葉遣いだ。しかし、アンドリュー・ジャクソンはトランプをはるかに上回っていたという。ジャクソンの飼っていたオウムは、主人の汚い言葉をあまりにもたくさん覚えてしまったため、1845年のジャクソンの葬儀では、家の外に追い出さなければならなかったと伝えられている。
一方、民主党や左派はトランプの言葉遣いを「大統領としての品位」の問題とごちゃ混ぜにしている。この2つはまったく別の話だ。そもそも今では、政治家が汚い言葉を使うこと自体、「自分はそこらの政治家とは違う」と有権者に思わせるための手っ取り早い手口になっている。
オハイオ州でのトランプの発言を伝えた本誌の記事には、「大統領がどう振る舞い、どう話すべきか、実にいいお手本だな」「30年前、キリスト教徒たちはビル・クリントン大統領の行いに激怒していた。それが今では、道徳や家族の価値観について、ここまで基準を引き下げてしまった。まったく驚きだ」という皮肉交じりのコメントが寄せられた。
批判的なコメントの大半は、次の書き込みに集約されている。「MAGAの連中は喜んでいるが、まともなアメリカ人は、こんな大統領らしからぬ醜態にうんざりし、恥ずかしく思っている」。
典型的な確証バイアスだ。トランプが大統領の品位を貶めたと主張したいなら、証拠はいくらでもある。
だが、大統領の口の悪さを問題にするなら話は別だ。口の悪さならトランプなど、歴代大統領の中でも可愛い方だ。