Daniel Wiessner

[8日 ロイター] - 米共和党の知事が州の行政を率いるルイジアナ、アラバマ、アーカンソーの3州は先週、州外からの妊娠中絶薬の郵送の差し止めを求めて2件の訴訟を起こした。3州では人工妊娠中絶が禁止されているにもかかわらず、州の住民が州外から中絶薬を郵送で取り寄せることを阻止する狙いだ。

3州は訴状で、医療提供者による州外からの中絶薬郵送は、一般社会に害を及ぼす「公的不法妨害(パブリック・ニューサンス)」に当たると主張。またニューヨーク、カリフォルニア、マサチューセッツの3州は、州外からの刑事訴訟や民事訴訟から中絶医療提供者を保護する「シールド法」を制定することで、こうした不法行為を支援していると訴えている。

公的不法妨害に関する法律は従来、環境汚染などの公共問題に適用されてきた。専門家によると、中絶薬へのアクセスを制限するためにこの法律を利用するのは前例のない試みだという。また、中絶を禁止する州がシールド法に異議を唱えた初めてのケースでもある。

訴訟の背景には、反中絶を掲げる団体や当局者らが、シールド法によって保護された遠隔医療(テレヘルス)による中絶薬処方の拡大に対処する手法を模索していることがある。中絶の権利擁護団体であるガットマッハー研究所によると、全面的な中絶禁止州の患者に対して遠隔医療を通じて実施された中絶は、2024年の7万4000件から25年には約9万1000件へと大幅に増加した。

シールド法を制定した州を相手取った訴訟は、米連邦最高裁に直接提起された。最高裁は下級審を経ていない州同士の紛争を審理する権限を持つが、そのような訴えの多くは受理を拒否している。

もう1件の訴訟は、約30の医療従事者や医療団体を被告として、ルイジアナ州の連邦地裁に提起された。

訴訟を起こした3州の司法長官事務所はいずれもコメント要請に応じなかった。

ニューヨーク州のジェームズ司法長官とマサチューセッツ州のキャンベル司法長官は、それぞれ声明で、共和党主導州が自州の中絶禁止措置を他州に押し付け、合法的な医療を提供する医師を処罰しようとしていると批判した。

カリフォルニア州のボンタ司法長官の事務所は、現時点でコメント要請に応じていない。

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