Takahiko Wada
[東京 8日 ロイター] - 日銀が8日に開いた支店長会議は、世界的な人工知能(AI)関連需要の拡大が続き、各地域に好影響をもたらしていることを確認した。資本財を中心に幅広い品目で生産が増加しているとの報告が多く、同日公表した地域経済報告(さくらリポート)で9地域中7地域について生産の判断を引き上げた。一方、中東情勢の影響などでさまざまなコストが上昇する中、値上げの頻度を上げる企業も見られるとの報告も出された。
さくらリポートによると、9地域のうち東北と四国は景気の総括判断を前回(7月)から引き上げた。残る7地域の判断は据え置いた。生産の7地域引き上げは2021年1月以来の多さ。
生産について大阪支店管内の企業(電気機械)から、AI関連需要は「想定を上回るペース」で伸びており、顧客の設備投資方針などを踏まえれば「今後3年程度は旺盛な需要が継続するとみている」との声が聞かれた。支店長会議でも、企業の設備投資意欲は引き続き旺盛との報告が多かった。
7月に発生した熊本地震の影響については、被災地などで工場の稼働停止などがあったものの「サプライチェーン全体で見れば、関係者の努力もあって生産への下押しの影響は一時的なものにとどまった」と報告された。
個人消費については、幅広い業態で天候不順が一時的な下押し要因になっているものの「実質所得の増加に支えられて、総じてみれば底堅さを維持している」との報告が多かった。賃金については、企業収益が高水準を維持し、人手不足感が引き続き強い中で「人材の確保・係留の観点から高水準の賃上げを実施している」との報告が多かった。
価格設定について、企業間取引では、中東情勢の影響や為替円安などによるさまざまなコストを販売価格に転嫁する動きが「進展している」との報告が多かった。仕入コストの変動が大きくなる中で「価格改定頻度を引き上げる先が見られる」との報告もあった。値上げの動きは消費関連企業にも波及し、「消費者の反応を見極めながら、仕入コストの上昇分を販売価格に転嫁している先が増えている」との報告があった。