[7日 ロイター] - 台湾の蔡英文前総統は7日、米スタンフォード大学の防衛関連フォーラムで講演し、中国が軍の巡回活動などを通じて台湾に「持続的」な圧力をかけていると述べた。公然たる衝突を避けながら、台湾周辺の安全保障環境を変える狙いがあると指摘した。
蔡氏の訪米は2024年の退任後初めて。事務所が提供した講演原稿によると、蔡氏は台湾が「特に差し迫った」安全保障上の課題に直面していると指摘。「われわれは日常的にサイバー攻撃、認知戦、情報操作、経済的威圧、重要インフラへの侵害の試みに直面している」としたほか、中国の軍用機や艦船が台湾周辺で日常的に活動し、海警局などの活動も台湾周辺海域で頻繁になっていると述べた。
さらに、こうした「グレーゾーン」活動は、公然たる対立を避けつつ、台湾側に負担を強い、対応を試し、安全保障環境を徐々に変えることを狙ったものだと分析。「自らの自信と行動の自由を維持しながら持続的な圧力に対応するとともに、抑止が失敗した場合に備え自衛能力の強化を続けなければならない」と訴えた。
中国外務省はコメント要請に応じていない。駐米中国大使館は今週、台湾と米国のいかなる公式交流にも断固反対すると改めて表明。中国は台湾を自国領土と見なし、平和的統一を望むとしつつも武力行使を放棄していない。蔡氏と後任の頼清徳総統はいずれも中国の主権主張を拒否している。
蔡氏は、世界の技術・製造業網に深く組み込まれた台湾との協力強化は、台湾の安全保障だけでなく、インド太平洋の安定や民主主義諸国全体の耐性も高めると述べた。