大学進学率が高まり、かつ諸々の教育費も値上がりしているので、そこそこの経済力がないと結婚・出産に踏み切れなくなっているのだろう。25~34歳の既婚男性は2007年では349万人だったが、2022年では226万人まで目減りしている。未婚化のためだが、この変化を年収階層別にみると<図1>のようになる。

各グループの既婚者数を線でつないだグラフだが、既婚者の数が減っているのは中間層以下においてだ(色付き部分)。止まらない未婚化は、中間層以下の話であることが分かる。並以下の稼ぎでは結婚しにくい、結婚・出産は「ぜいたく品」になりつつある、ということだ。子育て世帯は「選ばれし層」となっているので、年収も上がっている。

国としては、子育てに要する費用負担の軽減に取り組むべきだ。授業料の無償化や給付奨学金等の政策は進んでいるが、制服代、通学用品費、給食費、修学旅行費等に加え、体操服や絵の具セットといった学用品の購入費、いわゆる「隠れ教育費」が未だに重くのしかかっている。希望する家庭には、これらを無償給付するくらいの気概を見せてもいい。

先日公表されたOECDの教育白書(2026年版)によると、日本の公的教育費支出の対GDP比率は2.74%で下から3番目という有様だ。教育にもっとカネを注ぐ余地はあるだろう。並の収入であっても、明るい展望を持って結婚・出産に踏み切れる環境を作るべきだ。

子育て世帯の年収が上がっているのは、共稼ぎが増えたためでもある。夫婦と子の世帯(妻が30代)のうち、妻が働いている世帯の割合は2007年では48%だったが2022年では73%にまで増えている。これが全国的な傾向であることは、<図2>の地図から明らかだ。

男性の腕一本で一家を養える時代など、とうに終わっている。共稼ぎがスタンダードになりつつある時代だ。随所で言われているが、共稼ぎがしやすいような環境を作る必要があり、保育所の増設はその中核に位置する。共稼ぎの場合、「仕事+家事+育児」の負荷が女性(母親)に偏りやすいので、父親の家事・育児分担を促す啓発も欠かせない。

共稼ぎを強制するのは行き過ぎだが、昭和型の「一馬力」前提、女性は結婚したら半強制的に家庭に押し込められるような慣行を残したままでは、未婚化・少子化に歯止めはかからない。

<資料>
文科省「子供の学習費調査」(2023年度)
総務省「就業構造基本調査」

【グラフ】小中学生の家庭の年収分布(%)
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