日本企業のたとえ小さな取り組みでも、メディアが広く伝えれば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく――。そうした「発信と共創の場」をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版は2023年春、「SDGsアワード」を立ち上げました。

2026年、私たちはこの想いをさらに深化させ、ビジネスと社会貢献の融合により強くフォーカスするため、名称を新たに、ニューズウィーク日本版「サステナビリティアワード」として、第4回のプロジェクトを始動しました。

先の見えない今の時代にこそ、日本企業のたゆまぬ挑戦とサステナブルなビジネスモデルが、世界に求められています。私たちは今年も、日本企業によるサステナブルな取り組みを発信していきます。

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福祉施設などをめぐっては、近年、一部事業者による不適切な運営が社会問題となり、行政による指導監査の重要性が高まっている。一方で、自治体の人員や時間には限りがあり、監査を担う現場の負担は大きい。

指導監査・検査業務とは、自治体職員が社会福祉法人や福祉施設などを訪れ、法令に沿って適切に運営されているかを確認し、問題があれば助言や指導を行う仕事だ。施設利用者の安全や福祉の質を守るために欠かせないが、十分に監査が行き届かなければ「監査の空白」が生まれかねない。

その課題をテクノロジーで解決しようとしているのがIT FORCE株式会社だ。自治体向けDXソリューション「監査くん」を通じ、行政の負担を軽減しながら監査の効率と質を高め、より多くの現場に行政の目を届けようとしている。

大阪府との実証実験から生まれた「監査くん」

2023年、大阪府との実証実験を開始した同社が目の当たりにしたのは、紙資料の確認や手入力による転記、郵送、膨大な事業者データの整理といったアナログ業務だった。紙資料を持ち歩く情報セキュリティ上の制約もあり、実地検査の件数にも限界があった。

そこで開発したのが、指導監査・検査業務をオンラインで一元管理する「監査くん」だ。現地で端末入力できるほか、エクセルのマスタ情報をインポートするだけで監査チェックリストを生成でき、法令改正などにも柔軟に対応する。

「監査くん」の主な機能
「監査くん」の主な機能

大阪府の試算では、年間約38万枚の紙と約3500時間の業務を削減し、年間約2000万円の経費削減効果が見込まれた。

現場からは、紙資料の持ち歩きや帰庁後の転記がなくなり、「現場指導や利用者に寄り添う本来の業務」に注力できるようになったとの声も寄せられた。こうした反応は、開発チームにとって大きな手応えとなった。DXの価値は単に仕事を速くすることではなく、生み出した時間を、本来、人が担うべき仕事に振り向けることにもある。

「監査くん」が減らす3つの負担
「監査くん」が減らす3つの負担
効率化の先にある「人を守るDX」
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