Miranda Murray Andreas Boeckler

[マグデブルク(ドイツ) 6日 ロイター] - ドイツ東部ザクセンアンハルト州で9月6日の州議会選挙に勝利した極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は6日、同州議会の初会合に臨んだ。ただ歴史的な選挙勝利から1カ月が経過した現在も、AfDが州レベルで初となる政権を樹立する明確な道筋は見えていない。

AfDは選挙で第1党となったものの、州首相候補のウルリヒ・ジークムント氏が目標に掲げた過半数には3議席届かなかった。

ジークムント氏は初会合に先立ち、12月に予定される州首相選出投票の第1回投票で議会の支持を獲得したい考えを示した。支持拡大に向けた時間を確保する狙いだが、具体策には言及しなかった。

AfDはこれまでに連立相手となり得る政党から十分な支持を得られておらず、他党議員の離党・転向も表面化していない。このため政権樹立に向けた動きは行き詰まりの様相を呈している。

こうしたこう着状態は、AfDが長年直面してきた課題を浮き彫りにしている。選挙で支持を拡大しても、主流政党が協力を拒む「防火壁(ファイアウォール)」政策の下で行政権力の獲得につなげられないためだ。

現在AfDは旧東ドイツ地域を中心に有力政治勢力となったが、主要政党がAfDと協力することに反対する有権者は依然として多い。州都マクデブルクの州議会前では6日、約400人の抗議参加者が平和的な集会を開き、ドイツ基本法(憲法)を朗読した。参加者の多くは「極右との協力反対」と記した長い赤い横断幕を掲げた。

州憲法に基づき選挙後30日以内に開かれた今回の初会合では、ジークムント氏に近い35歳の不動産実業家トビアス・ラウシュ氏が、左派ポピュリスト政党「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)」の支持を受けて州議会議長に選出された。AfD所属議員がドイツの州議会で最高職の一つに就くのは初めて。

ラウシュ氏は就任演説で議員間の協力を呼びかけて「政治的な防火壁の時代は過去のものとなるべきだ」と訴えた。

AfDが9月にザクセンアンハルト州を含む3州選挙で躍進したことは、実際に保守陣営内で防火壁政策の有効性を巡る議論を呼んでいる。6日に行われた州議会議長選の秘密投票でも、ラウシュ氏が48票を獲得。AfDとBSWの計44票を上回っており、少なくとも4人の他党議員が同氏を支持したとみられる。もっともAfDはここ数週間、前回州選挙から議席を半減させたメルツ首相の政党所属議員の取り込みを図っているが、これまでに離党や転向の発表はない。

今回の議長選は、AfDがBSWの安定した協力を得られるかを見極める機会としても注目された。BSWは連立参加こそ否定しているものの、他党と異なりAfDとの協力を全面的には否定していない。

BSWは、大規模移民に反対しロシアとのエネルギー関係修復を主張する点でAfDと立場が近く、州首相選出投票では棄権する方針を示している。その場合、隣接するテューリンゲン州と同様に、BSWの黙認を受けたAfD少数政権が成立することも想定される。ただ、ジークムント氏はこれまで、その形態では小政党への依存が大きくなるとして消極的な姿勢を示していた。

またジークムント氏は、初回投票で必要な多数を確保できなければ、州議会の再選挙を実施する可能性にも言及している。

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