Shadia Nasralla Stephanie Kelly Robert Harvey

[ロンドン 6日 ロイター] - イランでの戦争による混乱を受け、エネルギー業界では効率性を重視した「ジャスト・イン・タイム」のサプライチェーン戦略を見直し、ペルシャ湾や紅海を迂回する代替輸送ルートへの投資を検討する動きが強まっている。ただ具体的な資金負担が課題だ。

フランスのトタルエナジーズのパトリック・プヤンヌ最高経営責任者(CEO)は「今回の危機から得られた最大の教訓は、生産だけでなく輸出についても考える必要があるということだ」と述べ、業界は「ジャスト・イン・タイム」から「ジャスト・イン・ケース(万一に備える)」への発想転換が必要だとの認識を示した。

プヤンヌ氏は、イラクからシリアへ通じるパイプライン計画への参画や、ホルムズ海峡を迂回してアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ港へ原油を輸送するパイプライン網の輸送能力倍増に向けた投資計画を改めて表明。「こうしたインフラ整備に参加する必要があることは明らかだ」と強調した。

英BPのメグ・オニールCEOは、米コノコフィリップスおよびトルコ国営TPAOと進めるキルクーク油田再開発により、新たな北部輸出ルートの選択肢が広がったと指摘した。

オニール氏は「イラク政府が代替輸出ルートの確保に非常に積極的に取り組んでいることは承知している」と述べた。しかしそれがBP株主の資金を投じるべき案件かどうかについては慎重な見方を示して「他の投資家には適しているかもしれない」とだけ語った。

米シェブロンのマイク・ワースCEOは、イラク政府との間で西クルナ2油田およびナシリヤ油田への参入交渉の進展を楽観視した。同社は今年初め、原油をトルコのジェイハン港またはシリアのバニヤス港へ輸送する新規パイプライン建設の可能性を調査するため、イラク政府と初期合意を締結している。

もっともワース氏は、資金の大部分は他の投資家が負担する必要があるとくぎを刺した上で「こうした案件に自社資本を大量投入することは一般的ではない。実現する場合は複数企業によるコンソーシアムの一員として参加することになるだろう」と付け加えた。

またクウェート石油公社(KPC)のシャイフ・ナワフ・アルサバCEOは、サウジアラビアおよびUAEと、それぞれの港湾へつながる新たなパイプラインについて協議していることを明らかにした一方で、産油国だけでなく輸入国も費用負担を担うべきだと訴えた。「生産国に全ての責任を負わせて『必要な投資を全て行い、全てを供給可能にしなければならない』と言うことはできない。これは共同の責任だ」と主張している。

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