Promit Mukherjee
[オタワ 6日 ロイター] - カナダ統計局が6日発表した8月の貿易収支黒字額は、前月改定値の7億8700万カナダドルから大幅に拡大して42億カナダドル(29億4000万米ドル)となった。ロイターがまとめた市場予想の15億5000万カナダドルも上回った。
輸出業者がトランプ米政権の新たな関税発動前に米国向け出荷を前倒ししたことから、対米輸出は前月比8.1%増加した一方、対米輸入は2.5%減少した。この結果、8月の対米貿易黒字は112億カナダドルと19カ月ぶりの高水準を記録。米国向け輸出が総輸出に占める割合は約70%に達し、2025年9月以降で最高となった。
トランプ政権は約200億米ドル相当のカナダ製品を対象とする新たな50%関税を8月22日に発動した。対象品目にはワイン、家具、乳製品、セメント、衣料品、釣りざお、ホッケー用品などが含まれる。
市場関係者は、関税の影響は9月統計でより明確に表れるとみている。9月にはカナダによる対抗関税や、米国による一部カナダ製品の輸入禁止措置の影響も反映される見通しだ。
8月の輸出総額は前月比2.5%増の779億1000万カナダドルとなり、前月の2.6%減から持ち直した。エネルギー製品の輸出は4.7%増の190億3000万カナダドルと全体を押し上げた。
とりわけ石油精製品輸出は17.4%増加した。ディーゼル燃料の輸出がペルー、英国、米国、オランダ向けを中心に増加したことが要因という。
カナダ輸出開発公社(EDC)のシニアエコノミスト、プリンス・オウス氏は「ディーゼル輸出が9月も関税の影響を一部相殺する可能性がある」との見方を示した。
エネルギー製品を除く輸出は1.8%増加。数量ベースの総輸出も2.5%増となった。品目別では、消費財輸出が6.6%増、産業機械・設備・部品が10.1%増、電子・電気機器・部品が11.0%増加した。
輸入総額は2.0%減の737億1000万カナダドルで、自動車および同部品の輸入減少が全体を押し下げた。
米国以外の国向け輸出は7月の8.2%増から8.5%減に転じ、対米以外の国々との貿易赤字は7月の53億カナダドルから8月には70億カナダドルへ拡大した。