[東京 6日 ロイター] - 赤沢亮正経済産業相は6日、都内で講演し、フィジカルAI(人工知能)は「間違いなくわが国の勝ち筋であり、うまくやれば独壇場になる。AIロボットとフィジカルAIの開発にかなり賭けている」と強調した。 AI自体の開発では米国や中国に「今のところ歯が立たない」ものの、日本には「世界有数の製造現場と世界で唯一の(原発の)廃炉の現場がある」と述べ、こうした知見を活用することが日本の強みになるとの見方を示した。
赤沢氏は、中国がレアアースの「チョークポイント(急所)」を握って経済的威圧を行っている一方、「AIや半導体を製造するにあたっての素材や製造装置は、日本がかなりチョーキングポイントを握っている」と指摘。「しっかり維持して日本の強みとして生かしていくのは当然だ」と語った。AI時代には「スタートアップの成功確率が劇的に高まる可能性がある」とも話し、「わが国のスタートアップ振興のための政策をもう一回、ゼロから抜本的に強力に見直したい」とした。
<サハリン2の権益維持、かなり優先順位高い>
経産省は同日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加制裁として、ロシアの産業基盤強化に資する物品の輸出禁止措置を追加実施すると発表した。 赤沢氏は、ロシアの「侵略」は非難されるべきもので「われわれはウクライナサイドに立っている」とした上で、ロシア・サハリン州の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」 については「日本の権益をきちっと維持することはかなり優先順位の高い課題」で、「そのことについて今ロシアとの間で何か問題を抱えているわけではない」と説明。同盟国も含めた了解を得た上で輸入されているとも述べた。
その上で、仮に日本が権益を手放せば「どこの国とは言わないが、他の国が入ってきて、われわれが開発に膨大な税金を費やしたものをただ持っていかれる。それが国益にかなうのかということも含めてやってきている」と語った。
<AIの開発速度巡る問題、米中の動向が鍵に>
人工知能(AI)の開発速度を抑制すべきだとの主張については、危惧は理解するとした一方で「中国と米国両方が同意しない限りはあまり実効性がない」と指摘。一方が応じなければ「開発を続けた方が早く新しいものを開発することは目に見えている」と述べ、米中がルール作りに合意し、順守しなければ速度抑制の実現は難しいだろうと述べた。