Takahiko Wada Leika Kihara
[東京 6日 ロイター] - 日銀が金融政策運営で重視する基調的な物価上昇率について、2%に到達したとの認識を示す方向で検討に入ることが分かった。早ければ今月の金融政策決定会合で判断する。金融環境は依然として緩和的で、基調物価2%程度での定着へ、日銀は引き続き短い間隔での利上げを進める方針だが、物価指標は想定通りに推移しており、現時点で10月会合での利上げには慎重な見方が多い。複数の関係筋が明らかにした。
日銀は基調的な物価上昇率について、政策要因を除いた消費者物価のコア指標や中長期の予想物価上昇率などから総合的に判断している。9月会合の声明文では「2026年度後半から2027年度にかけて」2%と整合的な水準に達するとの見方を維持した。
政策委員の間では、すでに高田創委員や田村直樹委員が2%に到達していると主張している。植田和男総裁は9月会合後の会見で、2%に「だいたいヒットしつつある」と述べており、他の委員の見方にも変化が出てきている。9月会合の主な意見では、基調物価は2%に「かなり近づいている」、「ほどなく2%に達することが見込まれる」との意見が見られた。
1日公表の日銀短観では、企業の中長期の予想物価上昇率が高止まりしていることが確認された。日銀では、原油市況が一時的に調整しても、企業の値上げ姿勢が積極的な中で予想物価が下振れすることは考えづらいとの声が出ている。毎月勤労統計では前年比3%付近の賃金上昇が続いており、基調物価の2%到達を示唆しているとの指摘もある。
このため、10月会合で議論する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で2%到達の認識を示す可能性が高い。
日銀は9月利上げに当たり、物価の上振れリスクが根強い中で基調物価を2%程度で定着させていくことが重要だと強調した。基調物価が2%に到達した際には政策金利が中立金利に到達している姿を理想としているが、累次の利上げにもかかわらず金融環境はなお緩和的で、政策金利は中立金利にはまだ距離がある状況だ。このため、基調物価が2%に到達したと判断した上で、2%程度での定着に向け、引き続き短い間隔で利上げを進めていく方針だ。
ただ、関係筋によると、9月に続いて10月会合でも利上げすることに対しては日銀内で慎重な声が出ている。これまでの利上げの経済への影響を見極める必要があるとの見方のほか、短観の企業の物価見通しでは物価予想がさらに上振れていることまでは示されておらず、月次の物価指標も日銀の想定通りに推移しているという。日銀は決定会合までの市場動向なども見極めた上で、利上げの是非を最終判断する。