同社によれば、ローンチから約2年で売上のおよそ8割がギフト用途。出産祝いとして受け取った母親からは、メッセージカードとスープを見て「涙が出ました」という声も届いたという。「赤ちゃんだけでなく、母親自身をいたわる出産祝い」という新しい選択肢への共感が広が⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠った形だ。

日本とアメリカ、互いの知恵から育てる新しい産後ケア

for her.の母体は、1947年創業の自動車部品メーカー・片山工業株式会社(岡山県井原市)を中核とする片山ホールディングスグループである。for her.は伝統的な製造業グループの新規事業として発足し、2025年4月に独立法人化。さらに同年、米国法人も設立した。

米国イベント
米国イベントでの様子

片山氏が目指すのは、日本とアメリカ、それぞれの産後ケアや食文化、養生の知恵を持ち寄り、互いに学び合いながら、新たなセルフケアのあり方につなげていく循環モデルだ。日本では百貨店やEC、ギフト市場に加え、コミュニティやイベントを通じてセルフケアを体験する機会を広げ、アメリカでは産後ケアを軸に商品・サービスを展開する。また同社は、女性や母子を支援するシェルターなどへの商品寄付も行っているという。

売上の8割をギフト用途が占めるということは、裏を返せば、「自分のためには選びにくいもの」であることも示している。周囲を優先し、自分の不調や疲労を我慢することが美徳とされがちな社会では、セルフケアのために何かを選ぶことに、いまだ心理的なハードルが残る。だからこそ、同社が見据えるのはその先だ。誰かからの贈り物をきっかけに、自分の心や体にも目を向けるようになる。そんなセルフケアが当たり前になる社会を、for her.は目指している。

◇ ◇ ◇

アンケート

どの企業も試行錯誤しながら、サステナビリティの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。

アンケートはこちら