Hannah Lang

[5日 ロイター] - 米商品先物取引委員会(CFTC)は5日、レバレッジを利用したデジタル資産取引を提供する暗号資産(仮想通貨)交換業者を対象とする新たな連邦規制の枠組みを提案した。暗号資産を包括的に規制する法案の議会審議が進まない中、現物取引市場の一部を連邦政府の監督下に置く狙いがある。

規制案によると、米国の暗号資産交換業者は、州ごとに異なる資金移動業者向け免許を中心とした現行の規制に代わり、CFTCが監督する連邦レベルの規制枠組みを選択できるようになる。これはCFTCが従来から持つ、証拠金やレバレッジを利用した現物資産取引を監督する権限を活用する形。CFTCはこれまで、規制上の位置付けが明確でない暗号資産の現物市場に対する監督権限を求めてきたが、その権限を明示的に付与できるのは議会に限られている。

セリグCFTC委員長は5日、フォーダム大学ロースクールがニューヨークで開いたイベントで「金融の新たなフロンティアを切り開く起業家は長年、自分たちに市場での居場所があるのか不確実性に直面してきた。われわれはその答えを示す」と述べた。

規制案では、個人投資家にレバレッジ取引や証拠金取引を提供する交換業者について、CFTCの監督を受ける新たな取引市場区分「暗号資産市場」を設ける。対象業者には相場操縦を防止する体制の整備や、保有する暗号資産などを裏付ける「プルーフ・オブ・リザーブ(準備資産証明)」が求められる。

CFTCはまた、新たな区分の取引所で顧客が売買する際、登録済みの先物取引業者(FCM)が仲介する仕組みを提案した。

規制案は具体的なレバレッジ倍率の上限を定めていない。一方、交換業者がレバレッジ取引を提供する場合、その商品についてCFTC職員の承認を得る必要があるとしている。

今回の提案は、約2兆ドル規模の暗号資産市場に新たな規制を導入する包括法案「クラリティー法案」の議会審議が進まなかったことを受けた動き。同法案の柱の1つは、暗号資産の現物市場を監督する明確な権限をCFTCに与えることだった。

議会での審議停滞に伴って、暗号資産業界に融和的なトランプ政権の規制当局、とりわけ米証券取引委員会(SEC)とCFTCが規制の明確化を進める役割を担っている。暗号資産業界はかねて、明確な規制ルールが必要だと訴えてきた。

ただアナリストからは、議会による法整備がなければ、規制は政権交代など政治情勢の変化や訴訟の影響を受けやすく、暗号資産業界を巡る法的不確実性が残るとの指摘も出ている。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。