[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)チーフエコノミストのレーン専務理事は5日、エネルギーコストの急騰、利回り上昇、財政支援の縮小がいずれも経済成長の重しとなり得るとし、物価圧力抑制に向けた金融政策の引き締め度合いを限定する可能性があるとの見方を示した。
レーン氏は、足元のエネルギー価格上昇がインフレに明確な上振れリスクをもたらしている一方、他の要因は重しとなっており、高インフレに対する「慎重な」対応というECBの政策姿勢は引き続き適切だと指摘。重しとなる要因として、高エネルギーコスト、財政支援の縮小、市場ベースの借り入れコストの最近の急上昇を挙げ、いずれも需要を抑制することで経済に悪影響を及ぼすと述べた。
フランクフルトで開かれた会議で「成長は今年持ちこたえているものの、2026年はプラスだった財政刺激は27・28年にはマイナスに転じると予想され、最近の急激な長期金利上昇は成長鈍化につながり、(金融政策の)波及効果を想定以上に縮小させるだろう」と語った。
人工知能(AI)関連投資の急増は経済にとってプラスだが、テクノロジー企業が過大な投資を賄うために大規模な借り入れを行っており、これが金利への上昇圧力を高めているとの見方を示し、「他の条件が同じなら、こうした『需要破壊』の経路は、インフレ率を目標に適時復帰させるために必要な金融政策スタンスの調整を限定する可能性がある」と述べた。次回の政策変更については言及せず、決定は会合ごとに下されるとした。
金融市場はECBが今後1年間にさらに2─3回の利上げを行うと見込んでいるが、予想は不安定で1週間ほど前には4回の利上げが完全に織り込まれていた。
レーン氏はまた、短期的にインフレが急伸しているが中期的なインフレの上方シフトは起きていないと述べた。ドイツ 連邦銀行(中銀 )のナーゲル総裁も同日、同様の見解を示した。