[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)チーフエコノミストのレーン専務理事は5日、夏終盤にかけてのエネルギーコスト急騰が経済成長の重荷となる可能性があるとし、「需要破壊」が起きれば金融引き締めの度合いは限定的となる可能性があるとの見方を示した。
ECBは今夏に2回の利上げを実施、市場はエネルギーコスト上昇が物価への2次的な波及効果を引き起こすとの懸念から、今後1年間にさらに2─3回の利上げを見込んでいる。
レーン氏は会合で、基調的なインフレ指標を見る限り、中期的なインフレ上振れは定着していないと指摘。政府支出や人工知能(AI)投資などに支えられ、経済成長は予想以上の底堅さを示しているが、エネルギーコスト高騰が悪影響を及ぼす可能性があると述べた。
同氏は「今回のエネルギー供給ショックの第2波は、インフレ見通しに直接的な上振れリスクをもたらす一方、成長見通しには下振れリスクをとなる」と指摘。「他の条件が同じなら、こうした『需要破壊』の経路は、インフレ率を目標に戻すために必要な金融政策スタンスの調整を限定する可能性がある」と述べた。
政府支出は経済を下支えしているものの、財政刺激効果は今後数年で縮小する見通しで、成長の重しが一段と増すとした。
レーン氏は「総合的に見れば、インフレを抑制するために慎重な対応が適切となる『中間の道筋』に金融政策はとどまっている 」と述べた。