Marc Jones
[ロンドン 2日 ロイター] - 米国とウクライナが共同で設立した「復興投資基金」は、重要鉱物分野で初となる案件を含む5件の新規プロジェクトで合意した。同基金の米政府高官が2日、ロイターに対し明らかにした。
復興投資基金はトランプ米大統領の働きかけを受けて2025年4月に両国が締結した「鉱物資源協定」の一環として設立されたもので、鉱物資源、防衛、エネルギー、インフラなど5つの戦略分野への投資に重点を置いている。復興投資基金を監督する米国際開発金融公社(DFC)のコナー・コールマン投資責任者によると、基金が手掛ける案件の総額は約7000万ドルに達した。
コールマン氏はロイターのインタビューに対し、投資案件はロシアによる全面侵攻を受けるウクライナに対する米国の支援を示しているとし、基金の投資余力を拡大するために新たな資金調達先を模索していると述べた。冬の到来を前にウクライナが継続的に被害にさらされていることに触れ、「現時点で投資することがウクライナ国民にとって極めて重要だ」と語った。
コールマン氏によると、初の重要鉱物案件はウクライナ最大のスーパーマーケットチェーン「ATB」の共同所有者で富豪のゲンナジー・ブトケビッチ氏が設立したBGVグループとの共同投資プラットフォームに約3000万ドルを投じるもの。この共同投資プラットフォームはウクライナ国内の初期段階にある鉱山開発事業を対象にレアアース(希土類)、ウラン、ベリリウム、ジルコニウム鉱床の開発を進める。コールマン氏は「いずれも米国の重要鉱物リストに含まれており、米政権の優先課題とも整合的だ」と述べた。
この日に発表された他の新規案件のうち2件は、冬を前にロシアによる重要インフラ攻撃が増加する中、ウクライナの電力・暖房網の強化を目的としたもの。コールマン氏によるとこのうち1件は、DFCがウクライナ最大の民間エネルギー企業DTEKに対し新たな蓄電システム向けとして決定した約1億ドルの融資を補完する。同蓄電システムは約60万世帯に最大2時間のバックアップ電力を供給できるという。
復興投資基金はこのほか、損傷した電力・熱供給網の復旧を目的とする複数の「エネルギーハブ」の建設・運営を支援する熱電併給(コージェネレーション)プラットフォームにも出資する。