世界に広がる「還元型」、次の課題は日常への定着
還元型コエンザイムQ10は現在、世界26カ国500製品以上に採用されている。現在は売上の約6~7割を北米市場が占めるが、マレーシアやインドネシアなどのムスリム市場も見据え、ハラール認証も取得した。
日本市場では、機能性表示食品の関与成分として、睡眠の質の向上、起床時の疲労感の軽減、一過性のストレスの軽減、認知機能の維持、肌の健康維持など、計8つの機能性について消費者庁への届出が受理されている。2022年にはカネカグループとして初めて還元型コエンザイムQ10を100mg配合したヨーグルトやドリンク形態の機能性表示食品を発売。25年にはタブレットやプロテインにも展開を広げた。酸化しやすいというかつての弱点に対し、安定化技術を使って日常食品へ応用する動きが進んでいる。
もっとも、技術が完成すれば社会に浸透するわけではない。国内では依然として美容素材としての認知が先行している。そこで同社はキャンペーンや「細胞ケア」の啓発を進め、睡眠、疲労、ストレス、肌、認知機能といった幅広い健康課題との関係を伝えようとしている。
今後は北米に加え、欧州、アジア、オセアニアでの市場開拓を進め、国内でも飲料、乳製品、グミなど摂取形態を増やす計画だ。目指すのは、還元型コエンザイムQ10を世界的なベースメント素材へ育て、健康寿命の延伸やウェルビーイングの向上に貢献することだ。
世界的に高齢化が進む今日、健康寿命をいかに延ばすかは万国共通の課題だ。人の体内に約37兆個あるといわれる細胞から健康を支えるカネカの挑戦は、自社の技術や強みをもって社会課題と向き合い、長期的な事業価値へと転換していく企業のサステナビリティのあり方を示している。
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どの企業も試行錯誤しながら、サステナビリティの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。