Christine Chen Scott Murdoch
[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリアのプライベートクレジット大手メトリクス・クレジット・パートナーズは、一部ファンドで解約を停止し、上場するファンド3本の通期決算の公表を延期した。
メトリクスは約400億豪ドル(280億米ドル)を運用する。オーストラリア証券取引所(ASX)に上場するメトリクス・リアル・エステート・マルチストラテジー・ファンド、メトリクス・インカム・オポチュニティーズ・トラスト、メトリクス・マスター・インカム・トラストは、メトリクスが資産評価額を引き下げたと公表したことを受け、28日から取引が停止されている。
メトリクスは30日、上場する3本のファンドの通期決算について、監査を担当するKPMGが非上場の商業用不動産へのエクイティ投資の公正価値の算定方法に疑義を示しており9月30日の提出期限までに監査を完了できないと明らかにした。上場ファンドの投資先となる非上場ファンドの解約を一時停止したと述べた。
同国では、不動産開発会社バスラ・グループの経営破綻を受け、プライベートクレジットに対し不安が広がっている。
バスラ・グループは8月に管財人の管理下に入った時点で、約40の貸し手に対し34億豪ドルの債務を抱えていた。その大半はプライベートクレジット会社で、一部はその後、解約受け付けを停止した。 メトリクスは今週、バスラへの投融資はないと説明した。
オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、最近の市場の混乱を踏まえ、国内のプライベートクレジット業界全体の動向を注視していると表明した。同委員会の報道官は、企業名には言及せず、「解約請求を制限または延期する場合、各社は投資家の最善の利益に沿って意思決定を行うべきだ」と述べた。解約する投資家と投資を継続する投資家を公平に扱う必要があるとも指摘した。
格付け会社S&Pグローバルは、格付けを付与しているメトリクスのホールセールファンド4本を「クレジットウオッチ」に指定したと明らかにした。メトリクスが運用資産全体で講じる措置を監視することを意味する。