John Irish

[20日 ロイター] - フランスのマクロン大統領とカナダのカーニー首相は20日、カナダ大西洋岸沖のフランス領サンピエール島・ミクロン島で会談し、高まる地政学的緊張や気候変動、民主的価値観の浸食に対処するため、関係を強化することで合意した。カナダは、米国との貿易戦争が激しさを増す中で、欧州連合(EU)との関係強化を模索している。

カーニー氏は声明で「われわれの社会は、気候変動がもたらす激動、民主的規範の浸食、主権に対する新たな脅威といった新たな嵐に揺さぶられている」とし、「関係を強化すべき時が来た」と表明した。

マクロン氏は、両国が宇宙、気候、エネルギーに至る幅広い分野で関係を強化することで合意したと説明。「われわれは共に、民主主義、法の支配、国際法の尊重、自由で公正な貿易の尊重、意思決定の基盤としての科学、そしてわれわれが擁護する戦略的自立を信じている」と語った。

<仏領群島での会談に象徴的意味>

サンピエール島・ミクロン島への訪問は、フランス大統領としては2014年以来、カナダ首相としては初めて。

フランスにとって、サンピエール島・ミクロン島は、米国と北極への玄関口に位置するため、戦略的に重要な存在。またエネルギー分野も含め、フランスとカナダの協力において重要な位置を占める。

トランプ米大統領は数週間前、米国、カナダ、グリーンランド、アイスランド、メキシコ、中米、カリブ海諸国の地図を米国旗で覆い「アメリカ合衆国」と記された画像を投稿した。サンピエール島・ミクロン島やフランス領カリブ海諸島も含まれていた。

トランプ氏の投稿に関する質問に対し、マクロン氏は「人々が奇妙な考えを持ったり、奇妙なことを言ったりする」という理由だけで、毎日その点を再確認する必要はないと述べた。

マクロン氏は、国内で燃料価格の高騰という問題を抱える。カナダが液化天然ガス(LNG)の輸出先を、主にアジアではなく欧州へ拡大することを期待しており、今回の会談が具体的な合意の締結に向けた2国間協議への道を開いたとの認識を示した。

「カナダのLNGプロジェクトは役立つ可能性がある。欧州にとって重要だ」とマクロン氏は語った。

両首脳は、カナダとEUの関係についても協議した。EUはカナダ政府が初の准加盟国となる道を開いており、マクロン氏によればフランスもこれを支持している。

しかし、統合深化に向けた動きはハードルに直面しそうだ。EUとカナダが包括的経済貿易協定(CETA)に合意してから10年以上、暫定適用が始まってから9年が経過した今も、フランスを含む複数のEU加盟国が同協定を批准していない。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。