日米が円安阻止へ動いた7月末の協調介入は、これまで詳細が明らかでなかった6月下旬の片山さつき財務相とベセント米財務長官のオンライン会談が重要な布石になっていた。6月の日銀利上げから約1週間後の同会談を機に、日本側はリフレ色の払拭に向けた情報発信を強化したが、市場はなお不安定な状態が続き、最終的に日米による異例の円買い介入へとつながった。

日米の当局者や専門家への取材から浮かび上がるのは、成長重視の政策を掲げる高市早苗政権が、インフレや財政悪化を警戒する市場との対話でジレンマに直面していた実態だ。金利上昇に直面する米国にその影響が及びかねないとして、ベセント氏は日本に利上げと財政規律の維持を求め続けた。

高市政権は介入後もなおリフレ色をのぞかせ、日本の金利には上昇圧力が残る。米国の金融政策がタカ派的に転じる中で円は再び下落基調にあり、発足2年目に入る政権が、強い経済と財政規律の「二兎(にと)」を追いながら市場と米国の信認をどう確保していくかが今後の焦点となる。

6月会談の真意