Andy Bruce David Milliken

[ロンドン 17日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は17日、政策金利を据え置く一方、2027年初めに英国のインフレ率が4%を超えるとの見通しを示した。ベイリー総裁は、中東での紛争が長引けば金融引き締めが必要になる可能性があるとの認識を示した。

金融政策委員会(MPC)は政策金利を3.75%に据え置くことを再び6対3の賛成多数で決定した。3人は4%への引き上げを支持、ロイターがまとめたエコノミスト調査の予想と一致した。

今後6カ月間、国債(ギルト債)売却を全て一時停止するという予想外の決定も下した。

今回の会合の議事要旨は明らかにトーンの変化を示しており、中銀は欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備理事会(FRB)に続き利上げへの態勢を整えた。

日本銀行は18日に利上げを決定する見通し。

ベイリー氏は「これまでのところ、世界的なエネルギーコストの上昇が英国の物価・賃金設定に与えた影響は限定的だ。しかし、この変動が長引けば長引くほど、インフレへの影響は大きくなり、インフレ率を2%目標に戻すために政策金利を引き上げる必要が生じる可能性が高まる」と述べた。

発表後、英ポンドは対ドルで下落、国債利回りも低下した。

イングランド・ウェールズ勅許会計士協会の主任エコノミスト、スレン・スル氏は「年内は政策が据え置かれる可能性はあるが、米・イラン紛争が長期化していることから、利上げリスクは可能性から確かさへと変わった」と語った。

<強まるインフレリスク>

英中銀は、7月に前回の経済見通しを公表して以降、インフレリスクは一段と上振れ方向に傾いていると指摘。それ以降のエネルギー価格の動きは、インフレの定着を招くリスクがある「悪化」シナリオと幾分か類似性があるとした。

労働市場や企業の価格設定からは持続的圧力の兆候はまだ出ていないものの、リスクは高まっているという。

資産運用会社アバディーンのエコノミスト、フェリックス・フェザー氏は、英中銀は11月の次回会合で利上げに動く可能性が十分あると指摘。「11月会合は中銀が包括的見通しを示し、記者会見を開くため、政策変更を説明する良い機会となる。利上げサイクルの出発点として自然だ」との見方を示した

10月28日に予算案を発表するバーナム首相とヒーリー財務相にとって厳しいタイミングでの利上げ警告となった。

英中銀は第3・四半期の経済成長率予想を従来の0.1%から0.4%に引き上げる一方、8月に3.1%だったインフレ率は「27年初めにやや4%を上回る可能性がある」と指摘した。従来は26年後半に3.2%でピークを付けると予想していた。

インフレ率は過去5年間で3カ月を除いて全て2%目標を上回っており、英中銀は物価圧力の見通しに関する表現を強めた。「2次的影響が現れるまでの遅効性を踏まえると、影響がの証拠を待って政策対応するまでに時間をかけ過ぎるのは適切ではない」と説明した。

<MPC内で利上げ論が拡大>

チーフエコノミストのピル委員、グリーン外部委員とマン外部委員は今回も0.25%ポイントの利上げに票を投じた。

しかし今回は、ベイリー総裁とブリーデン副総裁、ロンバルデリ副総裁、ラムズデン副総裁が、議事要旨で将来的な政策金利引き上げの可能性に言及した。

英中銀はまた、過去に景気刺激策の一環として積み上げた英国債残高を長期的に圧縮する新たな計画を発表した。詳細を詰める間、国債売却を今後6カ月間停止するとともに、長期債の売却は全面的に中止する。

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