Lewis Krauskopf Suzanne McGee Gertrude Chavez-Dreyfuss

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 投資家は米連邦準備理事会(FRB)のインフレ抑制策に対する信頼を高めているものの、どの程度利上げを行うのかという不確実性から、今後数週間は株式や債券市場の変動が大きくなりそうだ。

FRBは16日、2023年以来初めてとなる利上げを実施。トランプ大統領が繰り返し利下げを求めていたにもかかわらず、目標を上回るインフレに対処するため、この措置は広く予想されていた。

しかし市場は、今後どの程度金融政策が引き締められるのか不透明といった、これまでとは全く異なる投資環境に直面。金利上昇を前に、一部の投資家は小型株など金利に敏感な資産の魅力が低下する可能性があると指摘している。

マニュライフ・ジョン・ハンコック・インベストメンツの共同チーフ投資ストラテジスト、マシュー・ミスキン氏は「今回の会合はFRBの独立性を高め、市場にとって信頼感を強めるだろう」と指摘。一方で、「FRBはこの会合でややタカ派的な姿勢を見せ過ぎたかもしれない。今後数カ月で経済がどのように反応するかを見守る必要がある」とも述べた。

<全会一致>

金利上昇は、消費者や企業の借入コストを上昇させることで経済成長を鈍化させる可能性があり、株式やその他のリスク資産のパフォーマンスにも逆風となる可能性がある。

市場は26年の金利引き下げを織り込んでスタートしたが、2月下旬に始まった米・イスラエルとイランの戦争によってエネルギー価格とインフレ率が上昇したことで状況は一変し、利上げの可能性に賭ける見方が強まった。

投資家は7月の前回会合で金利据え置きが9対3で決定されたのに対し、今回の投票が全会一致だったことに注目。マーサー・アドバイザーズのポートフォリオ管理担当バイスプレジデント、デビッド・クラカウアー氏は「全会一致での利上げは、年末までにさらなる利上げが行われる可能性を大幅に高めるものであり、26年初頭の金融緩和サイクルに備えていた投資家は戦略を完全に再調整する必要がある」と話す。

16日の会合後、株価は下落し、主要株価指数のS&P総合500種は0.45%安で引けた。米国債利回りは指標10年物が終盤に5.02%に上昇し、注目されていた5%の水準を上回った。ドルは通貨バスケットに対して大幅に上昇した。

トゥエンティフォー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ダニー・ザイド氏は「今回の会合は全会一致の決定そのものに至るまでタカ派的な雰囲気だった」と語った。

<次回利上げ>

FRB当局者は今年中にあと1回の利上げを想定しており、27年には金利を据え置くと見込んでいる。

フェデレーテッド・エルメスの債券ストラテジスト、カレン・マンナ氏は「金融引き締めリスクの多くは既に価格に織り込まれているが、より重要なのは、FRBがこれで十分だと考えているのか、それとも今後さらに引き締めが必要になると考えているのかという点だ」と述べた。

16日終盤時点でのフェデラルファンド(FF)金利先物では、米中間選挙直前となる10月に開催される次回会合での利上げ確率はほぼ五分五分。27年には追加利上げが見込まれている。

先月末のジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長が行った講演はタカ派的と受け止められ、投資家の間で利上げ期待が高まった。

しかし、ウォーシュ議長が金利の方向性に関するフォワードガイダンスを避ける姿勢は、ウォール街に不確実性ももたらしている。7月の会合後の記者会見では、インフレに対する議長の姿勢が投資家を混乱させ、その後の長期債利回り上昇につながった。

シュワブ金融調査センターの債券調査・戦略責任者コリン・マーティン氏は「ウォーシュ氏はきょう、債券市場にインフレの基調トレンドが依然として強すぎるという明確な認識をもたらした」と話す。

投資家は、金利上昇局面に向けてポートフォリオをどのように調整すべきか検討している。

オサイックのチーフ市場ストラテジスト、フィル・ブランカト氏は「たった1回の会合に過剰反応したくはない」とした上で、「これが利上げサイクルの始まりに見えるなら、デュレーションを短縮し、小型株へのエクスポージャーを一部削減するのは理にかなっているかもしれない」とも語った。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。