Olena Harmash

[キーウ 16日 ロイター] - ウクライナ政府は議会に2027年の予算案を提出し、過去最大規模の国防支出を盛り込んだ。複数の政府高官が16日、明らかにした。

27年の国防費は4兆8900億フリブニャ(1100億ドル)となる見通しで、26年比12%増。総歳出7兆2700億フリブニャの約3分の2を国防費が占める。歳入は5兆6000億フリブニャと想定されている。

議会予算委員会のピドラサ委員長は「(ロシアとの)全面戦争下で6回目の予算編成となるが、今回も前年度を上回る規模となった。この数年間で戦争のコストはさらに高騰している。国家歳入は支出の伸びに追いついていない」と説明した。

ピドラサ氏によると、戦争の1日当たりの費用は22年のロシアによる侵攻開始時の約1億1600万ドルから、今年は約1億9000万ドルへ増加した。

現在ウクライナは兵士の給与引き上げや兵器生産拡大を進めるため、今年の国防支出でさらに270億ドルの財源不足に直面している。こうした中でマルチェンコ財務相は議会で、ウクライナが27年に520億ドル超の国際金融支援を必要とするとの見通しを示した。マルチェンコ氏によると、ゼレンスキー政権はこれまでに約200億ドル分の支援確約を取り付けており、残る不足分の資金確保に向けて各国と協議を続けている。

マルチェンコ氏は、欧州各国が凍結しているロシア資産が27年の財政赤字を補う主要な財源となる可能性があるとの見方も示した。

議会は10月1日まで予算案を審議して修正案を提示する。予算案は12月1日までに3回の審議を経て可決される必要がある。

マルチェンコ氏は、ロシア軍による企業やインフラ施設への攻撃激化により、ウクライナの財政状況は今年さらに厳しさを増していると指摘するとともに、被害拡大に伴って税収などの歳入が落ち込む一方、軍への資金需要は増加していると説明した。

ウクライナはロシアによる侵攻が始まって以来、諸外国から約1980億ドルの財政支援を受けており、このうち欧州連合(EU)が最大の拠出元となっている。ただ、安定した支援を確保するためには、戦時下という厳しい状況のなかでも税制改革やガバナンス改革を進め、財政・予算運営に関する国際的な条件を満たす必要がある。

こうした中、ウクライナ議会は16日に海外からの小口郵便物に課税する法案を第1読会で可決した。法案成立により、国際通貨基金(IMF)やEUによる資金供与の条件の一部を満たすことになる。

マルチェンコ氏は「議会は電子商取引制度をEU基準に近づけ、財政基盤を強化し、国内企業との公正な競争環境を支える上で重要な税制・関税改革を前進させた。この進展はEUによる約40億ユーロのマクロ金融支援実施への道を開くものだ」と強調した。

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