Stephanie van den Berg Fatos Bytyci
[ハーグ/プリシュティナ 16日 ロイター] - 旧ユーゴスラビアのセルビアからの独立を巡る1998-99年のコソボ紛争時の戦争犯罪を裁く特別法廷(オランダ・ハーグ)は16日、殺人と拷問、不法拘禁などの戦争犯罪に問われていたコソボ元大統領ハシム・サチ被告(58)に対し、禁錮25年の実刑判決を言い渡した。
サチ被告はコソボ紛争当時、多数派民族アルバニア系武装組織「コソボ解放軍(KLA)」の最高司令官として活動していた。
法廷は、KLA部隊が紛争中に政治的対立者やセルビア治安当局への協力者と見なした96人を殺害した責任を認定し、385人の不法拘禁、303人への拷問、49人への残虐行為についても有罪とした。被害者はいずれも犯行当時、戦闘行為に加わっていなかったとしている。
裁判長は判決理由について、サチ被告が共通の目的を持つ「共同犯罪組織」の一員として犯罪に積極的に関与し、これを助長したと指摘。「KLA支配地域に拘禁施設を設置し、反対勢力と見なした人物を特定して拘束し、必要であれば殺害するという計画だった」と述べるとともに、被害者らは非人道的な環境に置かれ、暴行を受けたほか、狭い独房に収容され、食料や医療も十分に与えられなかったとの判断を示した。
サチ被告は判決言い渡しの間、無言で立ち続けた。弁護側は全ての罪状を否認している。被告は判決を不服として上訴することができる。
コソボでは2008年の独立後もアルバニア人とセルビア人の対立が続いており、紛争の歴史は今も両国関係の緊張要因となっている。コソボのクルティ首相は声明で「この判決は受け入れがたい不正義だ」と批判した。ハーグではサチ被告の支持者数百人が判決を聴いた後、法廷への行進を試み、一部が警察ともみ合いになった。コソボの首都プリシュティナでも数百人が抗議デモを実施した。
一方、セルビアの首都ベオグラードでは、判決はセルビア人被害者への配慮が不十分で軽過ぎるとの声も聞かれた。