※"A picture is worth a thousand words."――1枚の写真には千の言葉の価値がある。世界の今を鋭く捉えるドキュメンタリーから、感性を刺激する芸術的なアプローチまで。連載「Picture Power "世界を物語る"写真の力」からお届けます。
猛烈な熱波や乾燥の影響で近年、山火事が頻発しているヨーロッパ。なかでもポルトガルは山火事による森林焼失が極めて深刻な国の1つだ。この夏も国内各地で大規模な山火事が発生し、住民の避難や道路の封鎖が相次いだ。
背景にあるのは気候変動だけではない。農村部の人口減少、細分化された土地所有、延焼しやすいユーカリや松の単一栽培林など複数の社会的要因が重なった構造的な危機でもある。
同国出身の写真家ゴンサロ・フォンセカも、2017年の大規模な山火事で祖父母の家を失いかけた。24年に始めた長期撮影プロジェクト「ア・バーニング・ランドスケープ(燃える大地)」で彼がレンズを向けたのは、炎が燃え盛る瞬間だけではない。
計画的な野焼きに取り組む消防士、火の広がり方を研究する科学者、焼き尽くされた土地の再生に挑む組織や地域社会──。地味ながら重要な平時の取り組みから、惨事と向き合い、土地と暮らしを未来につなごうとする人々の努力が浮かび上がる。
Photographs by Gonçalo Fonseca
撮影:ゴンサロ・フォンセカ 1993年生まれ。ポルトガル・リスボンを拠点とするドキュメンタリー写真家。2017年から人々の住まいや帰属意識をテーマに、地元ポルトガル、中国、インドなどでの長期的な取材に基づいた作品制作を行い、米ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなどの主要紙で発表している
【第1040回

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