Lucia Mutikani

[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した8月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.4%上昇と、伸びは7月から横ばいとなった。物価の「瞬間風速」を示す前月比は0.4%上昇し、7月の0.1%から加速。コア指数も前月比で4カ月ぶりの大幅な伸びとなり、連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で利上げに踏み切るとの観測が強まった。

総合指数の前月比の伸びは、2カ月連続で下落していたガソリン価格が上昇したことで加速。ロイターがまとめたエコノミスト予想は前月比0.4%上昇、前年比3.4%上昇だった。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比0.3%上昇と、7月の0.2%から伸びが加速。ジェット燃料コストの上昇を受けた航空運賃の2.7%上昇が主因となり、4月以来の大幅な伸びとなった。

コア指数は前年比では2.4%上昇と、伸びは7月の2.5%から鈍化。エコノミスト予想は前月比0.2%上昇、前年比2.4%上昇だった。

<利上げ観測高まる>

前日発表された8月の卸売物価指数(PPI)は前年比5.4%上昇と、伸びは7月の4.8%から加速。前月比では0.4%上昇と、7月の0.1%から加速した。FRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数の算出に用いられる主要項目の一部が大幅な伸びとなっており、先週発表された雇用統計と合わせ、来週の利上げ観測を強める内容となった。

CPI発表を受け、FRBが15-16日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利上げを決定する確率は91%まで上昇したが、その後は87%に戻した。ただ前日の72%からは上昇している。

多くのエコノミストは、インフレ指標の上振れに加え、8月に労働市場の持ち直しを示す兆候が見られたことで、FRBは来週の会合で利上げを決定した後、10月または12月にも追加利上げに踏み切る可能性があるとの見方を示している。

モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミックストラテジスト、エレン・ゼントナー氏は「前日のPPIほどの過熱感はなかったが、今回のCPIにより、FRBはインフレ抑制の信認を維持しようとする中で、政策の裁量余地が狭まった」と述べた。

ロヨラ・メリーマウント大学の金融・経済学教授、ソン・ウォン・ソン氏は、エネルギー高はガソリン価格だけでなく、広範に波及するとし、「FRBにとって、エネルギーショックが経済全体に波及する事態を容認する余裕はない」と語った。

<ガソリン価格3.9%上昇>

8月はガソリン価格が2カ月連続の下落から3.9%上昇に転じ、月間のCPI上昇の3分の1以上を占めた。ディーゼルを含むその他自動車燃料は9.6%急騰した。原油価格が再び1バレル=100ドルを上回り、ディーゼル価格が過去最高となっていることから、インフレは今後数カ月間高止まりし、対象品目も広がるとみられる。

一方、食品価格は2カ月連続で0.1%の小幅上昇にとどまった。食料雑貨は肉類や魚介類の価格上昇が抑制され、横ばいだった。青果物は前月比0.4%下落した。サイクロスポーラ感染症の集団発生の影響でレタスが6.2%値下がりしたことが影響した。ただ、卵は2.9%上昇したほか、ノンアルコール飲料や乳製品・関連製品の価格も上昇した。

ただ、食品価格は前年比では2.7%上昇。多くの食品が陸路で輸送されている点を踏まえ、ディーゼル価格が過去最高水準で推移する中、エコノミストは食料品価格が上昇する可能性があると警告している。米国の主要貿易相手国の一つであるカナダに対する直近の関税措置を含め、輸入関税による価格圧力が持続するとの見方もある。

このほか、教育、通信、中古車・トラックの価格も上昇した。家賃は0.2%上昇、ホテル・モーテルの宿泊費は2.4%反発した。一方、医療費は落ち着き、処方薬価格は横ばい。自動車保険料は0.8%下落し、衣料品価格は横ばいだった。

エコノミストは、8月のCPIとPPIを踏まえ、8月の食品とエネルギーを除くコアPCE価格指数は前月比0.3%上昇したと試算。前年比での上昇率の予想はおおむね3.4%に収れんした。7月は前月比0.2%上昇、前年比3.3%上昇だった。ただ、8月は算出手法の変更が反映される。

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