Parisa Hafezi Mohammed Ghobari Timour Azhari
[ドバイ/アデン/リヤド 10日 ロイター] - イエメンの親イラン武装組織フーシ派が今週、紅海沿岸で電撃的に進軍した背景には、米国との紛争で新たな戦線を開こうとするイランの革命防衛隊による直接の指導があったと、イエメン政府筋やイランなど地域の関係筋が明らかにした。
フーシ派は南西部の港湾都市モカを掌握したことで、要衝バベルマンデブ海峡の支配をさらに強めた。同海峡が混乱に陥れば、イランによるホルムズ海峡封鎖に続いて世界のエネルギー供給がさらに逼迫することになる。
イランの関係筋2人によると、同国は先週、フーシ派に対し、米国の緊密な同盟国であるサウジアラビアへの攻撃を激化させるよう指示し、そのための資金や武器、上級将校をさらに提供すると約束した。
イラン政府から説明を受けた地域の外交筋によれば、革命防衛隊の複数の上級司令官は軍事戦略を巡る数週間の協議を経て既にイエメン入りし、フーシ派による対サウジ攻撃の監督・指揮に当たっているという。
イラン当局筋は同国がフーシ派を含む同盟勢力と複数回会合を持ったとした上で、モカへの進攻はイランではなくフーシ派の判断だったと述べた。ただ、この動きが原油価格を押し上げ、米国とサウジに打撃を与えることで、イランにとって有利に働いたと指摘した。
サウジが支援し国際的に承認されたイエメン政府の軍事筋5人は、革命防衛隊がフーシ派による今回の新たな作戦を指揮し、ロケット弾による集中砲火で攻撃が始まったと語った。通信傍受や捕虜となったフーシ派戦闘員の証言から、イランの取り組みは革命防衛隊のアブドルレザ・シャフライ司令官が指揮しているとの見方を示した。
シンクタンク、国際危機グループ(ICG)のイエメン担当アナリスト、アハメド・ナギ氏はモカ制圧を重要な節目とした上で、「西部沿岸での(フーシ派の)攻勢を見れば、ここ1週間や1カ月で準備されたようなものではない」と指摘。
「フーシ派の勢力拡大は基本的に、イランから直接、あるいはさまざまな密輸ネットワークを通じて入手した新たな武器によるものだ」とし、最新の攻勢でのドローン(無人機)使用に言及した。
イエメン当局筋2人によると、フーシ派が先週モカに向けて進撃を始めた際、イエメン政府はサウジに対してさらなる航空支援などを要請した。政府は首都サヌアを含むフーシ派の中枢地域や石油貯蔵施設などの主要戦略拠点に対するサウジの空爆作戦を求めていたという。
しかし、サウジは後方支援や武器供与、情報提供にとどまり、空爆はイエメン政府が重要性が低いと見なしていたジャウフ州やマーリブ州の北部戦線に限定された。
イエメン当局者らの見立てでは、サウジはフーシ派との大規模なエスカレーションを避けたい意向で、サウジ領内へのドローン攻撃の激化を招くことを恐れているとみられる。
サウジ当局は紅海沿岸やその他の主要フーシ派目標ではなく北部戦線に軍事的な重点を置いていることについて、ロイターのコメント要請に直ちには応じなかった。