都市攻撃部隊

中国は既に、都市戦におけるヒューマノイドの活用について構想を描いている。

人型ロボット、ロボット犬、無人車両の6体の「戦闘ロボット」を2つの攻撃チームに分けて地上部隊と連携させ、それぞれ敵に占拠された建物を階ごと、部屋ごとに制圧する──。これは、西安市にあるNUDTの試験センターの研究者らが2025年8月に発表した論文で示されたシナリオだ。この研究では5ー10年以内に利用可能になると予測されている装備を使い、都市攻撃部隊を想定している。ただし、ロボットの交戦規定や搭載する兵器、民間人と遭遇した場合の対応については明記されていない。

台湾「国防安全研究院」の研究者、周若敏氏は、バランス感覚や認識能力、持久力が向上すれば、人型ロボットは建物やトンネル、艦船内部などで役立つ可能性があると指摘。「理論上は、2本の手と2本の足を組み合わせることで、移動やよじ登る動作、物体操作の能力を兼ね備えることができる」と語った。

一方、より単純な偵察や兵站(へいたん)任務では、四足歩行型や無限軌道型、車輪型のロボットの方が一般的に安価で、大規模に配備しやすいという。

中国軍の論考では、人型ロボットの任務が幅広く拡大していくとの見通しが示されている。25年7月の解放軍報の記事は、人型ロボットの任務が最終的には「戦闘支援から主たる戦闘任務へ」と発展する可能性があると論じた。また、人間が標的を確認した場合に、ロボットが生身の標的に発砲することをどのように認めるかについても論じている。

12月には、PLA東部戦区がAIで生成した映像を公開。映像には、人型ロボットや四足歩行型を含む軍用ロボットが、将来の紛争を想定したシナリオで、台湾の防衛網を圧倒する様子が描かれていた。

ヒューマノイドの戦場利用を模索しているのは中国だけではない。米陸軍は昨年、「軍事用ヒューマノイド能力」の開発を目指すコンペティションを開始。将来的には兵士と連携して活動することが想定されている。米陸軍によると、想定される任務には偵察、警備、障害物の除去、危険物を扱う作業、都市部での攻撃・防御任務などが含まれる。最終候補には最大10チームが選ばれ、今年、米軍の専門家とともにシステムを試験する予定で、後続契約には最大125万ドル(約2億円)が充てられる可能性がある。

ただ、二足歩行型・四足歩行型ロボットの開発では、米国のロボット産業は中国に大きく後れを取っている。ロイターが先月報じたところによると、世界有数の人型・四足歩行ロボットメーカーである中国の宇樹科技(ユニツリー)は、主力製品であるロボット犬の設計に、米軍の資金で開発された技術を取り入れていた。

米国防総省と米陸軍は、この報道についてコメントしなかった。

敵陣への潜入