[キーウ 9日 ロイター] - ウクライナとモルドバの当局者は9日、ロシアの無人機(ドローン)がウクライナ南部オデーサ州にあるモルドバとの国境検問所を攻撃し、2人が死亡したと発表した。物流ルートを標的にして経済的打撃を与えようとするロシアの取り組みの一環としている。

ウクライナ当局によると、ロシア軍は夜間から9日にかけてジェット推進式無人機で首都キーウも攻撃し、複数の火災が発生したほか、企業活動や学校にも支障が出た。クリチコ市長は、首都への攻撃で9人が負傷したと明らかにした。

オデーサ州のキペル知事はテレグラムで、南西部のスタロコザチェ国境検問所への攻撃で民間人2人が死亡、3人が負傷したと述べた。

モルドバ領から約1キロに位置するこの検問所では、毎日数千人と数百台の車両が利用しており、モルドバ当局によると攻撃で通行が停止した。ウクライナ国境警備隊は国営テレビで「ロシアは物流ルートの寸断を狙っている可能性が高い」と述べた。

国境警備隊によると、ロシアはここ数週間で5カ所の検問所を攻撃した。うち4カ所はモルドバとの国境、1カ所は北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるルーマニアとの国境にある。

ロシアによる黒海の港湾攻撃で海上輸出が大幅に混乱し、陸路での輸出に依存を強めているウクライナ政府にとって、憂慮すべき事態となっている。一方、ウクライナはロシアの製油所、石油ターミナル、商業倉庫を無人機で攻撃しており、ロシア領内の奥深くを標的にすることも多い。

モルドバのトファン首相はXへの投稿で、ロシアの無人機による領空侵犯が大幅に増加していると指摘。「8月だけで無人機17機が落下した。2025年通年と同じ数だ。ロシアによるウクライナへの非人道的な戦争は、わが国民のリスクを増大させている」と述べた。

ゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍がロシア南部ノボロシースクにある海軍基地、石油ターミナル、軍港施設、ミサイルを搭載した軍艦を攻撃したと発表。ロシアに対する国際的な圧力を強化するよう改めて訴えた。

ロシアはトランプ米大統領の和平交渉担当者がモスクワとキーウを訪問した間、一時的に空爆を停止していたが、8日にキーウへの空爆を再開していた。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。