Tim Hepher

[パリ 8日 ロイター] - フランスは9-10日に首都パリで国際宇宙サミットを開催する。宇宙分野で欧州の存在感を高めることを目指すマクロン大統領の取り組みの一環。ただ米国の大手宇宙企業が参加を見送り、欧州首脳の出席も当初の想定を下回る見通しとなっている。

フランス政府は、米国や中国を含む120カ国の政策決定者や企業、科学者らが参加し、宇宙分野での協力や規制の在り方を議論する場として同サミットを位置付けていた。ところがトランプ米政権が欧州寄りの議題設定に懸念を示したことを受け、イーロン・マスク氏率いるスペースXや、ジェフ・ベゾス氏創業のブルーオリジンなど米国の宇宙関連企業4社が参加を取りやめた。関係筋の話では、これに伴い複数の発表案件も中止された。

また共同議長国を務めるドイツは4日、メルツ首相が公務上の都合で欠席すると発表した。イタリアのメローニ首相も出席しない。

フランスは欧州の宇宙分野における自立性強化を主張している。一方、ドイツは打ち上げ市場で圧倒的なシェアを持つスペースXとの関係維持に前向きな姿勢だ。

両国は、スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」への対抗策を巡っても温度差を見せている。マクロン氏は欧州連合(EU)の安全保障向け衛星通信網「アイリス2」を支持するが、ドイツは独自の安全通信ネットワーク構築を計画している。

フランス政府側は出席者減少の影響を否定し、会場となるパリのグラン・パレには約2000人の代表団が参加する見通しだと強調。グラン・パレは、100年余り前に産業発展の象徴として建設された歴史的建造物だ。

今回のサミットは非公式な政治対話の場で、具体的な政策決定は予定されていない。

そうした中でもフランスは宇宙交通管理や宇宙へのアクセス、さらには衛星運用に不可欠な周波数利用などを巡る包括的な宣言の採択を目指している。周波数を巡っては、米欧企業間で見解の相違がある。

EU欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日に基調講演を行う予定。中国も参加するとされているが、詳細は明らかにされていない。

会議では、昨年フランスで開かれた人工知能(AI)サミットで巨額案件が発表された例にならい、民間企業による事業発表も予定されている。

欧州宇宙機関(ESA)のアシュバッハー事務局長によると、欧州の宇宙投資額は米国の約5分の1にとどまる。アシュバッハー氏は記者団に、ESAが欧州人宇宙飛行士の打ち上げで米国製ロケットへの依存を脱却するための象徴的な計画を策定していると明らかにした。

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