Gertrude Chavez-Dreyfuss
[ニューヨーク 8日 ロイター] - 著名投資家で米債券運用大手ダブルライン・キャピタルの最高経営責任者(CEO)を務めるジェフリー・ガンドラック氏は8日、米連邦準備理事会(FRB)が来週の政策会合で市場の予想に反して金利を据え置いた場合、米長期債利回りの新たな上昇を招き、歴史的な債券売りが一段と深まる可能性があるとの見方を示した。
同氏はウェブキャストで、市場は約60%の確率で利上げを織り込んでいるが、自身は「反対に傾いている」と発言。インフレの根強さや経済活動指標の底堅さにもかかわらず、FRBに行動する意思があるかどうか懐疑的だとした。
「2年債利回りの水準を踏まえると、フェデラルファンド(FF)金利は現在よりおそらく50ベーシスポイント(bp)ほど高くあるべきだ」とし、政策金利は利回り曲線の短期ゾーンと再び「乖離」していると述べた。ただ、2022年ほど劇的ではないと指摘した。
FF金利は8日時点で3.63%、2年債利回りは4.998%だった。
2年債利回りとFF金利の乖離は、FRBの現在の政策設定ではインフレ抑制に不十分で、短期金利が今後2年間にわたり現行水準以上にとどまるか、さらに上昇する必要があると投資家がみていることを示している。
ガンドラック氏は、FRBが金利を据え置けば市場がこれに反応して長期債利回りを押し上げるとの見方を示した。一方、利上げに踏み切れば、債券市場はおそらく現在の水準付近にとどまると予想した。
30年債利回りについては、2020年の低水準から8日時点の約5.25%まで大幅にリプライシングされた後も、依然として構造的に脆弱だと指摘した。
ガンドラック氏は債券売りの背景として、多額の米国債発行と、特に人工知能(AI)関連の借り手による社債の供給増という組み合わせを挙げ、市場は「これほどの量の債券を消化するのに苦戦している」と述べた。
構造的に高い実質利回り、根強いインフレ圧力、巨額の財政赤字は、タームプレミアムの高止まりが長期化する可能性を示唆していると警告した。
こうした状況を踏まえ、長期国債よりも、より短いデュレーションの債券、現地通貨建て新興国債券、実物資産を選好し、FRBが再び後手に回った場合の長期債の一段の下落に備えているとした。