[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コム が8日、妊娠中の従業員数千人に対して組織的な差別を行ったとして、全米規模の集団訴訟を提起された。訴状によると、一部の従業員は休暇取得が多過ぎるとして解雇されたという。
ニューヨーク州ブルックリンの連邦地裁に訴えた原告は元倉庫従業員4人で、アマゾンが妊娠中の従業員に対し、椅子の使用やトイレ・給水のための休憩、妊婦健診のための休暇といった基本的な配慮を拒否し、連邦法およびニューヨーク州の労働者保護法に違反したと主張している。訴訟は、原告の代理人弁護士が属する労働者の権利擁護を行う非営利団体「ア・ベター・バランス」が支援した。
訴状には、欠勤が多いとしてアマゾンが妊娠中の従業員に圧力をかけ、恒常的に解雇しているほか、配慮措置を求める従業員に対して不当に医療関連書類の提出を要求していると記された。原告側は、これらの行為が連邦の妊娠労働者公正法とニューヨーク州法に違反していると批判。「アマゾンは米国最大級の雇用主の1つで、多くの従業員が妊娠するのは当然だ。しかし同社はあらゆる場面で法律に違反している」と指摘した。
原告側は、未払い賃金や福利厚生の補償に加え、懲罰的損害賠償および妊娠従業員に対する差別の差し止めを求めている。
これに対しアマゾンの広報担当者は、同社が毎年数万人の従業員に妊娠関連の配慮措置を提供しており、過去1年間では申請の99.9%超を承認したと説明した上で「従業員の健康と福祉を確保することは、当社の最も重要な責務の1つだ」とコメントした。
アマゾンは2025年末時点でフルタイム・パートタイムを合わせて158万人を雇用しており、米国では小売り大手ウォルマートに次ぐ第2位の民間雇用主。
訴状に基づくと、原告の1人のウィラミナ・バークレー氏は、25年6月16日にニューヨーク州ロチェスターのアマゾン倉庫で妊娠に関連する緊急症状により車椅子で搬送され、入院したが、翌17日に解雇警告を受けた。重い荷物の持ち上げ作業による激しい腹痛に苦しんでいたにもかかわらず、アマゾンは病院受診によって無給休暇の上限を超過したと判断し、さらに「その日は一部勤務した」として勤務評価上の不利益を与えたとしている。バークレー氏はその5日後、実際に解雇されたという。
広報担当者は、原告4人の主張について「事実と異なる点があり、重要な事情が省略されている」と反論した。
アマゾンを巡っては、ニュージャージー州が約11カ月前、妊娠中または障害のある倉庫従業員に対する広範な差別があったとして提訴し、ニューヨーク州も22年に同様の訴訟を起こしている。