Karin Strohecker
[ロンドン 8日 ロイター] - 資産運用世界最大手の米ブラックロックは2026年の新興国債券市場について、これまでの運用成績が当初の想定を下回っているにもかかわらず、強気見通しを維持している。米ドルや米連邦準備理事会(FRB)を巡る懸念が和らぐことで、年末にかけて新興国債券が持ち直すと見込んでいるためだ。
ブラックロックは26年初め、新興国の外貨建て債券の年間総リターンが「1桁台半ばから後半」、現地通貨建て債券は「1桁台後半から2桁台前半」になると予測していたが、これらは現時点で実現していない。新興国債券部門責任者を務めるミシェル・オベナス氏は「年末まで残り4カ月を迎える中、市場は依然としてFRBの見通しに懐疑的で神経質な状態にある」と語った。それでもオベナス氏は、FRBの金融政策の先行きがより明確になれば、高利回り資産への投資需要が回復し、新興国債券も上昇基調を取り戻すとの見方を示した。
同氏の見立てでは、新興国市場はこれまで堅調なドル相場や歴史的な円安、高止まりする原油価格の影響を受け、多くのアジア通貨に下押し圧力がかかってきたとはいえ「こうしたマクロ要因による圧力が薄れれば、ドルが緩やかに下落する従来のトレンドに戻り、それが投資収益を支えるだろう」という。
JPモルガンの指数によると、今年これまでの新興国現地通貨建て債券のリターンは3.5%、外貨建て債券は2.3%となっている。
オベナス氏は、新興国の経済ファンダメンタルズが良好で、投資資金の流入も続いているとして、特に現地通貨建て債券に強気の姿勢。「年末までには、当初想定したシナリオに沿う形で総リターンが追い付くと予想している」と明言した。
足元の世界的な金利上昇(債券価格下落)に関しては、最近の債券市場の下落局面でも、新興国の長期投資適格級債券は米国債より底堅く推移したと指摘した。
同氏は「米30年国債を保有している場合には不安もあるが、国債であれ社債であれ、期間30年の投資適格級ドル建て債券を保有しているなら、より安心して眠れる。価格変動がはるかに小さいからだ。実際に、その傾向はクロスオーバー投資家の動向からも確認できている」と語った。