Promit Mukherjee
[オタワ 8日 ロイター] - カナダ政府は8日、トランプ米政権がカナダ製品に追加関税を発動したことを受けた報復関税に踏み切った。18カ月続いている貿易戦争が一段と激化した。
米国は先月、カナダとの通商交渉が物別れに終わったことを受け、約200億ドル相当のカナダ製品に50%の追加関税を発動した。カナダのカーニー首相は報復として、9月8日から米国産の鉄鋼、電子機器、その他の製品に対して関税を課すと表明していた。
カナダによる関税は米側の措置と金額ベースで同規模となる。
報復関税の対象は200億ドル相当の米国製品で、鉄鋼や家具から衣類、電子機器に至るまで、品目ごとに15%から50%の関税が課される。
カーニー首相の対米経済関係に関する諮問委員会のメンバー、マイケル・ハーベイ氏は「われわれが懸念しているのは、エスカレーションの悪循環だ。しかし同時に、首相が交渉の切り札となる分野を見出す必要があることも、われわれは十分に理解している」と述べた。
先月発動された米国の関税は、ワイン、家具、乳製品、セメント、衣類、釣り竿、ホッケー用具などの分野に打撃を与え、カナダの対米輸出総額の5%にあたる200億ドルが対象となっている。
カナダおよび米国政府のデータによると、カナダは今年、総輸出額のほぼ68%を米国に輸出しており、そのうち約80%は米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に基づく免税措置により関税なしで輸出されていた。同協定による保護措置は、国内経済にある程度の回復力をもたらしてきた。
カーニー氏はカナダ国民から幅広い支持を得ているが、政治アナリストによれば、米国との貿易戦争の影響が現実のものとなるにつれ、その支持は数カ月以内に失われる可能性があるという。
カーニー首相は先週、カナダ政府は両国に利益をもたらす貿易協定に署名する用意があると述べた。
政府筋によると、現時点では両国間の閣僚や政府高官による協議は行われていない。
ハーベイ氏は「カナダ政府は、米国の意思決定プロセスが経済的な観点に戻るのを待つ間、米国との対話の窓口を閉ざさず、過激な発言を控え、米国側の発言への反応も度を越さないようにすべきだ」と述べた。